ビッグデータの活用は目的じゃない


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中小企業診断士の佐々木孝です。

ビジネスの現場でデータを活用することはとても重要です。
データの活用により①意思決定の精度向上、②業務プロセスの効率化などが実現できるからです。

小売店を例に考えると、

 ①商品別の売上高データがわかれば取り扱い商品の入れ替えがスムーズにできる
 ②曜日別の来店客数のデータによりアルバイトの人数を調整可能

ということになります。もちろん、データの使い道は無数にあります。業種や業態でデータの使い方に違いはありますが、データ活用が業績向上を後押しするのは間違いありません。
 

photo credit : 写真素材 足成 photo credit : 写真素材 足成

 
とは言え、企業に対して「データを使いましょう」と直接提案するのはいささか滑稽です。なぜなら、データ活用は手段であって目的ではないからです。企業が抱える課題について相談を受けたとき、それに対して「データの活用が役立ちます」と答えるのが自然でしょう。どんな経営課題でもデータ活用は有力な答えと成り得ますが、最適解とは限りません。データ活用を課題解決の前提にするのは間違いです。データ活用はあくまで課題を解決する手段の一つと考える必要があります。自分の場合、「馬鹿のひとつ覚え」のようにデータ活用を提案しないよう自戒しています。
 
さて、最近、ビッグデータという言葉をよく聞くようになりました。
さまざまな企業がビッグデータの活用を勧めていますが、ピンと来ない人も多いのではないでしょうか。その理由は、まるでビッグデータの活用を目的のように扱っているからだと思っています。ビッグデータを使うこと自体を「良いこと」、「最先端の企業が行なうべきこと」として、相手先企業の現状や経営課題を考えずに推奨しているように思えてなりません。
 
「まずビッグデータありき」で、それに見合う経営課題を探しているようなアプローチになっています。ビッグデータを商売にしたい企業の「大人の事情」があるのはわかりますが、それに巻き込まれてはいけません。利用者側の企業は、経営課題を起点に自社に役立つかを考えて、ビッグデータ活用を導入すべきか判断することが必要です。
 
ビジネスで何らかのトレンドが起きると、自社に必要かを考えずに飛びつく人、企業があります。もちろん、大きな成果を生むこともありますが、失敗する企業も数多くあります。成功した企業は大声で喧伝し、失敗した企業は黙って撤退するため、情報を見ていると成功企業が多いように見えますがこれは大きな勘違いです。
 
何ごとも、手段を目的化せず、自社の目的にあった手段を選ぶ力を身につけることが必要になります。

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