商品開発に余計な口出しは禁物


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中小企業診断士の佐々木孝です。
 
アップル社といえばスティーブ・ジョブズを思い浮かべる人が多いと思いますが、共同創業者のスティーブ・ウォズニアックを忘れてはいけません。アップル社設立の切っ掛けをつくったApple I、最初の大成功となったApple IIのハードとソフトをほぼ1人で開発した「天才エンジニア」がウォズことスティーブ・ウォズニアックなのです。この2人が揃ったからこそアップル社は生まれました。どちらが欠けても成功は難しかったでしょう。
 

スティーブ・ウォズニアックスティーブ・ジョブズ
photo credit : ウィキメディア・コモンズ

 
さて、『アップルを創った怪物』(スティーブ・ウォズニアック/ダイヤモンド社)はこのウォズニアックの自伝です。機械工作とコンピュータに興味を持った少年時代、ジョブズとの出会い、アップル社の設立、ジョブズとの価値観の違い、アップル社を離れてからのことなどがウォズの昔語りのスタイルで書かれています。たった4日間でゲームを設計した、アップル社の株式公開時に自分の持株を格安の金額で社員に分け与えた、ウッドストックのような大コンサートを開催して1200万ドル損した(それも2回)などの「ウォズ伝説」も数多く紹介されています。
 
この本にはアップル社やウォズのこれまでだけではなく、天才エンジニア スティーブ・ウォズニアックのこだわりが多数登場します。人の言うことを鵜呑みにしないで検証することの大切さ、自分がやりたいと思ったことに徹底的に注力する価値などです。
そんな中でキーになると思うのが、次の一節です。

発明家であると同時にアーティストでもあるような、そういう珍しいタイプのエンジニアだと君が思うなら、僕からアドバイスがある。それはちょっと・・・・・・と思うかもしれないけどね。「一人でやれ」だ。

 
「自分のボスは自分」という形で働かない限り独創的な商品を作るのは難しいということです。企業の中で多くの人が協力してつくり上げた新商品はスキの少ない完成度の高い商品にはなるかも知れませんが、独創性の基準では妥協の産物にしかなりえません。
 
企業の立場で考えた場合、いくら優秀な社員がいたとしても「一人でやれる」環境を与えるのはほとんど不可能でしょう。それでも「余計な口出しをしない」ことはできます。才能を持った社員が商品コンセプトなどをつくる際には、外野が口を慎むことが成功につながるのではないでしょうか。上司や先輩が存在感を示すために自分の気づきや思いつきを伝えてもマイナスの効果しかないように思います。そんなことを考えました。

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