“相互評価のインフレーション”考 〜または中小企業診断士が“先生”である理由について〜


この記事の所要時間: 120秒 〜 220秒程度(947文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
最近、閉じた世界での“評価のインフレーション”が気になっています。
自分たち専門家にしかわからない独自の評価基準をつくり、それを元に仲間内で褒め合って互いに「スゴイ」ことにしてしまう構図です。図示すると以下のようになります。
 

相互評価のインフレーション
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わかりやすい例を出すなら、お笑い芸人の世界でしょうか。互いの笑いのセンスを褒め合うことで、まるで才能ある芸人の集まりのように見せています。外からは、何がセンスなのかよくわかりません。もちろん、中には本当の天才芸人もいるのでしょうが、スゴイ芸人が多過ぎます。そこで評価のインフレーションと言ったわけです。
 
小説家(特にミステリ作家)、料理人、現代芸術家の世界なんかも同じように映ります。政治家の政策通なんて言うのもそうでしょう。評価の基準が曖昧なものは、自分たちで評価のインフレーションを起こすことが可能なのです。評論家が役立つように思う方もいるでしょうが、彼ら彼女らの多くは半分仲間のようなものなのでうまく機能しません。
 
この状態を、虚構だと批判したり、騙されないように促したりするつもりはありません。評価のインフレーションが本当に大きな悪影響を与えるような世界なら、そのうち外部に客観的な評価基準ができると思っているからです。病院の評価などが好例です。言い換えれば、外部に基準ができないようなものは、大勢に影響を与えないだろうから放っておけばいいと考えています。ただし、自分に直接関係がない場合に限りますが、・・・。
 
さて、一番心配なのは、自分がこの評価のインフレーションを起こしてないか、また、インフレーションな評価を受けることで勘違いしていないかです。中小企業診断士の世界も、お互いを無駄に褒め合う習慣があります。お互いを“先生”と呼び合うのなどその典型でしょう。お客さまの前で自覚的にやっているうちはいいのですが、だんだん感覚が麻痺してきてしまいます。そんなことを繰り返して、「自分はスゴイんだな」なんて思うようになったらお終いでしょう。
 
褒められるだけの実力をつけて、評価のインフレーションにならないようにしたいものです。

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