「願えば叶う」を実現するために


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1396文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
自己成就予言という言葉をご存知でしょうか。
これは願えば(=予言すれば)叶う(=成就する)を社会心理学的に説明した用語で、『社会心理学小辞典』(有斐閣)には以下のような説明があります(参考:はてなキーワード)。

個人が、意識的あるいは無意識的に、自己の予言や主観的期待に沿うような結果を生じさせる行動をとったために、自己の予言や期待通りの結果が出現する現象。または、そのような予言。

例えば、「血液型占いは正しい」という期待を持った時、A型で神経質な人とそうでない人の両方を見たにも関わらず、無意識的にA型で神経質な人のことだけを選択的に記憶していくことにより、「やはり、身近な人にもよく当てはまっているから、血液型占いは正しい」という期待通りの結果を自分で生み出してしまうという現象などがそれに当たる。

他にも、他者または自己自身に対するレッテル貼りの効果、実験場面における実験者効果、教師の期待のピグマリオン効果、役割の内面化、などが知られている。いずれの場合にも、本人には、自己の予言や仮説が客観的に確証されたようにみえる。

 
つまり、「絶対に成功する」と信じていれば充分な作業を行なうので成功し、「どうせ駄目だ」と思っていれば何もしないので失敗するという理論です。ポイントは願うことにより行動が変わるところです。「願えば → 叶う」ではただの精神論ですが、「願えば → 行動が変わるので → 叶う」ならばある程度の現実味が出てきます。
 
さて、これをビジネスにあてはめてみると、以下のようになります。
 

 新製品を「売れる」と信じる
  ↓
 マーケティング活動に充分な投資をする
  ↓
 新製品がヒットする(確率が上昇する)

 
もちろん「売れる」と信じて充分なマーケティング活動を行なうだけで新製品が売れるなら、何の苦労もありません。つまり、そんな訳はありません。それでも「売れない」と思っている新製品を出すよりはヒットする確率が高いのは間違いないように思います。
 
企業が新製品を発売する限り、誰かがその製品を「売れる」と信じているのは間違いありません。問題はその「売れる」がどの範囲でどの程度の合意を形成しているかです。企業内の意思決定の仕組みは、個別の企業、時期、意思決定の内容等で大きく異なります。その結果、例えば、商品開発部門は「売れる」と思っているけどマーケティング部門は信じていない、社長が「売れる」とゴリ押ししているので発売に漕ぎ着けたが現場の温度は低い等の事態になります。これではヒットの確率は大して上昇しません。

「願えば叶う」を実現するために必要なのは「売れる」に共感を集めることです。
商品開発部門の思いが、マーケティング部門や営業部門、そして経営陣に伝わり、それが小売店や消費者に伝播すれば新製品はヒットするでしょう。企業内で新製品を発売するためには手続きが必要になり、その手続きは多くの場合ルーチン化していて思いを伝えるようなものではありません。でも、だからこそ、手続きに終始するのではなく思いを伝えることが重要なのです。もちろん、思いだけでなく、信じられる理由がキーになります。
 
理想論のようですが、そんなことを考えました。

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