どちらがマシな間違いか?


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1443文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
人は誰しも間違います。
個人も企業も、少しでも間違いを減らすためにさまざまな工夫をしていますが、これを完全に無くすことはできません。どうやっても「ヒューマンエラーは無くならない」のです。このため、ミスを減らす努力をすると同時に、ミスが起きたときの対処やミスの影響を小さく留める方法を考えておくことが大切です。
 

photo credit : wokka via photo pin cc

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統計学では判断の間違いを第一種過誤と第二種過誤の2種類にわけて考えます。これを統計学の言葉で説明するとわかり難いので(やや不正確ながら)意訳してみました。

 ●第一種過誤:誤った仮説を肯定する間違い。偽陽性。
 ●第二種過誤:正しい仮説を否定する間違い。偽陰性。

これらの言葉を覚える必要はありません。でも、この分類を使って「どちらがマシな間違いか?」を考えることは役立ちます。
 
例えば「疑わしきは罰せず」という考え方があります。
これは「容疑者は有罪だ」という仮説に対しては、第二種過誤(有罪の人を罰しない)より第一種過誤(無罪の人を罰する)の方が大きなミスだと考えているということです。一方、病気の簡易検査などは、第一種過誤(病気に掛かってない人を病人と判定)より第二種過誤(病気に掛かっている人を病人でないと判定)の方が危険です。このため、検査はより敏感に反応するように設計されています。
 
話が変わるようですが、昨日、高橋克也容疑者が逮捕されました。
逮捕の前に、捜査員が高橋容疑者本人を一度取り逃がしそうになったという報道があります。店員が「高橋容疑者に似ている」と言ったのに、捜査員が「似ていない」と判断して話し掛けなかったというのです。この例は、第一種過誤と第二種過誤の影響の大きさの違いを判断できていない典型例でしょう。真犯人を犯人でないとして見逃すミス(第二種過誤)と、犯人でない人に話し掛けて不快な思いをさせるミス(第一種過誤)のどちらの影響が大きいかは自明です。人がミスをする(「似ていない」と判断する)のは仕方ありませんが、二種類の過誤の影響の違いがわかっていれば、その後の行動が変わりミスの影響を小さくできます。この視点を持つことはとても重要です。
 
さて、ビジネスの場でもどちらのミスを避けるべきかを考えることは有効です。
スーパーマーケットで万引き犯を捕まえようとしているとき、店の信頼を考えれば犯人でない人を万引きで捕まえる第一種の過誤を犯すことは絶対に避けなければなりません。一方、ある種の商品開発などは第一種の過誤(売れない商品を売れると考える)を怖れていては売れる商品をつくることはできなくなってしまいます。程度の問題はありますが、積極的に第一種の過誤を犯すぐらいでなくてはいけません。
 
ポイントは二種類の過誤を犯したときに起こる影響を比較することです。
第一種の過誤による損害、第二種の過誤による損害を書きだして、どちらが影響が大きいかを考えることが有効になります。
 
そこでこのテーマをペラいちのフォーマットにしてみました。
ぜひ、ご活用ください。
 

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