共通知識 ― 全員が知っていることを、皆が知っていると、誰もが知っている


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1364文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 


情報共有のレベルの違い


【状態1】
事実XをAさんとBさんが知っている

【状態2】
「事実XをAさんとBさんが知っている」ことを、AさんもBさんも知っている

【状態3】
「「事実XをAさんとBさんが知っている」ことを、AさんもBさんも知っている」ことを、AさんもBさんも知っている

 
言葉にするとわかりにくいですが、このような情報共有のレベルの違いがAさんやBさんの行動を変えるという理論があります。
 


知っていることを、知っていると・・・


例えば、事実Xを「独裁者が行なう政治の間違い」だとしましょう。
 
一人一人の国民がそれに気づいているだけ(【状態1】)では何も起きません。一人で立ち向かっても敵う相手ではないからです。国民Aが「国民全員が独裁者の間違いを知っている」(事実Y)と気付いても(【状態2】)同じことです。事実Yを知っているのが国民A一人なら勝ち目はないからです。隣人Bも事実Yを知っていたとしても、そのことを国民Aが知らなければ同調は起きません。それが、「国民全員が独裁者の間違いを知っている」ことを国民全員が知るようになる(【状態3】)と話はまったく変わります。それぞれの同調が容易になり、行動に結び付くのです。
 

photo credit : woodleywonderworks via photo pin cc

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共通知識を仕掛けよう!


これは『儀式は何の役に立つか』(マイケル・S‐Y・チウェ/新曜社)に書かれている共通知識の考え方を自分なりに説明したものです。アラブの春でのTwitterやFacebookの影響、昨日の大飯原発再稼働反対デモなどのニュースを見ると、このモノの見方の重要性を改めて認識します。そこで、自分の理解ではあまりうまく説明できないのですが、取り上げてみました。興味を持たれた方は、ぜひ同書にあたってください。
 
さて、会社の中でも同じような構図はよく見られます。
「変えた方がいい」と誰もが思っている会社の戦略、取扱商品、作業方法があっても、その情報を広く共有できない限り変革は起こりません。「言っても無駄」で終わってしまいます。また、経営者の中にはボトムアップの変革を好まない人もおり、こういう動きの芽を摘み取ることもあるようです。
 
しかし、本当に会社のためを思うなら、共通知識が上手く働くように仕掛けたほうが得策です。有能な経営者なら、状態を打破するために、共通知識を積極的に活用するでしょう。少人数のグループで品質改善のサークルをつくったり、部署間の連携を強めたり、無礼講の懇親会を開いたりなどもこれを促します。しかし、どれも特効薬にはならないようです。もちろん、佐々木だけが特効薬を知っているわけはありません。
 
ただ、この情報共有のレベルの違いを常に意識することが成功のための第一歩だということは知っています。少しややこしいですが、この発想で考えることを心掛けると良いのではないでしょうか。

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