むしろスモールデータで行こう!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1593文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
「大きいことはいいことだ」というフレーズをご存知でしょうか。
1967年、まだ日本が高度経済成長期にあった時代、森永製菓・エールチョコレートのテレビCMに登場して人気を博した名コピーです。時代の雰囲気とフィットしたせいか、流行語にもなったそうです。
 


大きさ競争も「モノには限度」がある


今の時代でも、さまざまな競争の場面でいろいろな大きさが競われます。その結果登場するのが、超特大ハンバーガーや世界最小携帯電話といった品々です。多くの場合、しばらくは「大きければ大きいほどいい」「小さければ小さいほどいい」という単純な価値観が成立しますが、あるところで行き詰まります。大き過ぎるハンバーガーは持て余す、あまりに小さい携帯電話は使い難いことに人々が気付いてしまうのです。
 
ショッピングセンターや大型書店などもこれにあてはまるでしょう。[ 売り場が広い → 何でも揃う → 買い物が便利 ]という構図が、ある広さを超えると「どこに何があるかわかりにくい」「中での移動が大変」に変わってしまいます。元々は目的(「便利さ」)を争っていた筈が、手段(「広さ」)を争うようになりおかしくなるパターンです。
 
ある指標(売り場の広さ)に比例して別の指標(買い物の便利さ)が増加する関係が見出されることがあります。しかし、その関係がどこまでも続くとは限りません。「モノには限度」というものがあるのです。
 


データ活用に「大きいことはいいことだ」はあてはまる?


データを活用しようとするとき、少しでも多くのデータを使ったり、高度な解析をしたりした方がいいように思えるのは自然な感覚です。100人に聞いたアンケートより10,000人に聞いたアンケートの方が正しそうですし、ある事柄に対して3個質問するよりも10個質問した方が対象者をよく知ることができるように感じます。5分もしないでエクセルで出せる解析結果より、高価な解析ソフトを使って何日も掛けて出した解析結果の方が素晴らしく見えるのは当然です。
 
しかし、真に争うべきは「データの多さ」でも「解析の高度さ」でもありません。そこから得られる「情報のリッチさ」です。
あまりデータの量が多ければどのデータを使えばいいのかの判断が難しくなります。解析が複雑になればいろいろな設定で解析結果が変わるため、解析者の解釈(や好み)が入りやすくになります。実際には、使えるような結果が出ないこともたくさんあります。大きなデータを使った高度な解析がすべて駄目だとは言いませんが、「大きければ、高度ならば、その分だけリッチな情報が得られる」ということはありません。データ活用でも「モノには限度」があるのです。
データ活用の場合、「大きいことはいいことだ」は成立しません。「大きいことがいいこともあるかも知れない」くらいではないでしょうか。
 


スモールデータから始めよう!


特に中小企業の場合、世間の風潮に載せられてビッグデータに手を出してもいいことはないでしょう。大きなデータを扱える人やソフトを揃えるだけでも大変ですし、そこからリッチな情報を生み出すのは並大抵なことではありません。
 
中小企業が目指すべきは、むしろスモールデータの活用です。
自分たちでしっかり意味付けができる限られた数のデータを徹底的に管理するのです。自社の目標を達成するために管理すべきデータを見極めて、それに影響を与える更に幾つかのデータを探り出すことになります。
 
データ活用は「データが小さいほど簡単」とも言い切れないので、これはこれで大変です。しかし、それでも価値はあります。ぜひスモールデータの活用を検討してみたらいかがでしょうか。そして、迷ったら佐々木にご相談ください。

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