アンケートにもターゲッティングが必要


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1447文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
調査目的が決まったら、次はどんな人たちを対象にアンケートするかを考えなくてはいけません。企業や個人が自分たちで行なうアンケートは「聞ける人に聞く」で済ますことが多いようですが、これでは駄目です。調査目的に合わない人たちに聞いたアンケート結果は、役に立たないどころか害になるからです。
 


新規顧客を開拓したいなら・・・


よくあるのが、新規顧客を開拓したいのに、既存顧客にアンケートをしてしまうパターンです。
 
小売店を例にして考えるとわかりやすいのですが、既存顧客はその店を気に入って来店するわけですから、その店を避ける人の気持ちはわからないのです。例えば、既存顧客にその店の長所を聞いて、それを新規顧客獲得のための宣伝に使おうとしたとします。もちろん、その長所が新規顧客にもアピールとなる可能性はありますが、まったく響かない可能性もあります。既存顧客が考える長所が「安いこと」で、新規顧客になりうる潜在顧客が求めているものが「質の良いもの」だったら、「安いこと」をアピールしても仕方ありません。既存顧客と潜在顧客の求めているものが同じで、潜在顧客が来店しな理由が「長所を知らないから」の場合は成功しますが、その他の場合はうまく行きません。
 
それどころか、既存顧客が思う長所を更に強化するような戦略を取った場合、むしろ新規顧客が入りにくいような間口の狭いお店になってしまうことがあります。専門店等で品揃えがだんだんマニアックになってしまう店などが、この例です。それで店の維持に必要な売上を確保できるのなら一つの戦略ではありますが、あまり客層を絞り過ぎると変化に弱いという危険が生じます。
 
やはり新規顧客を目指したいのなら、普段は自分のお店を利用しないような人に聞かなくては意味がありません。「そんなことできない」と思うでしょうが、物ごとは工夫次第です。小売店でしたら、セール等を行なって新規顧客も入りやすいような状況を一時的につくり、来店者アンケートをする方法が考えられます。アンケートの中に来店頻度の質問を含めておいて、既存顧客と新規顧客の評価の違いを見るのです。そうすれば、新規顧客を呼び込むために何が必要かがわかるでしょう。
 


「もったいない」は禁物


さて、来店客のうち来店頻度の低いお客にアンケートをしたかったとします。
しかし、来店頻度の低いお客に絞ってアンケートをするのは困難ですから、まずは全員を対象にアンケートを行なうことになるでしょう。問題は、アンケートの結果をどうやって集計するかです。ついつい集まった回答全部を対象に集計してしまい勝ちですが、目的に合わないならこれをやることは禁物です。対象とする予定でない人を集計に含めても、結果が曖昧になって解釈し難くなるだけです。「ついでだから」「もったいないから」で集計しても碌な結果にはなりません。ここは割り切って、調査目的に合った対象者だけを集計することが大切です。
 
アンケートも、ターゲットを定めてそれに向かって行なうことが肝腎なのです。
 


すべてを調査目的にフィットさせる


こういう判断ができるのも、すべては調査目的がはっきりしているからです。
何となくアンケートをはじめてしまっては、このような的確な判断ができません。調査目的を定め、すべてをそれにフィットさせるようにアンケートをデザインしていくことが重要になります。

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