「誰のアンケートか」で結果が変わる!


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1288文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
マスメディアが行なう内閣支持率調査の結果が、各社で異なることは皆さんご存知でしょう。結果が異なる原因は、アンケートの方法、期間、質問文などにありますが、もうひとつ忘れてならないのが「誰がアンケートしているか」の違いです。例えば、アンケートへの協力を依頼するとき、「朝日新聞です」と名乗るのと「産経新聞です」と名乗るのでは、対象者の反応が変わってきます。一方には協力して他方には協力しない対象者がいるため、この影響は避けられません。
 
アンケートでは、調査主体(アンケートを行ないたい企業:例えば新聞社やテレビ局)と実施機関(アンケートの実務を行なう企業:例えば市場調査会社)が異なることも多くあります。この場合、後者を名乗れば上記の影響は小さくなりますが、協力率が下がってしまうことも多いため一概に実施機関名を使えばいいことにはなりません。また、調査主体を隠すことが倫理的に正しいのかという問題もあります。
 

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商品アンケートを行なうのなら


「誰がアンケートしているのか」が影響するのは、何も世論調査ばかりではありません。例えば、商品についてアンケートを行なう場合でも、メーカーを名乗ってその商品中心に質問するのと、広告代理店や調査会社の名前を使ってライバル商品も含めた業界全体のアンケートをするのでは答えが違ってきます。
 
経験から感覚的に言いますと、メーカー名を出した方が集まる回答は商品に対して優しくなります。アンケートの回答者は、いくら本当のことを答えて欲しいとお願いしても、調査主体や実施機関に対して気を使うようです。
 


従業員アンケートは実施機関を前面に


従業員の仕事への満足度、モチベーション、従業員間の価値観の違いなどを知るために従業員アンケートを行なう場合も同様です。この場合、調査主体が会社なのは言わずもがなですから、実施機関をどのくらい強調するかがポイントになります。
 
従業員から正直な回答を集めたいなら、できる限り実施機関を前面に出した方がいいでしょう。アンケートに答える従業員は、会社の誰か、例えば社長や人事担当者が一人一人のアンケート結果をチェックしているのではないかと疑うものだからです。
 
「そんなことはしない」と言っても、ほとんど効果はありません。実施機関を使い、アンケートを集計した結果、つまり従業員一人一人の回答がまったくわからない情報のみを会社に渡すというスタイルにすることが重要です。それでも疑い深い従業員は本音を漏らさないかも知れませんが、会社が直接調査を実施するよりは正直な回答が集まると考えられます。
 


実施機関も調査目的にフィットさせる


アンケートのやり方に正解はありません。適宜判断してよりよい方法を選ぶことになります。調査主体や実施機関の名乗り方もそうです。
何であれ調査目的にフィットさせ、全体を組み立てることが重要なのです。

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