東京23区の人口が900万人を超えた・・・らしい


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中小企業診断士の佐々木孝です。
 
今朝、NHKに東京23区人口 900万人超というニュースがありました。
1960年代に減少し始めた23区の人口が、1990年代中盤から増加に転じて、ついに900万人を超えたという話題です。
 
東京という都市の活力を感じる方も、東京への一極集中を憂う方もいるでしょうが、佐々木がこれを見ていて気になったのは「どの人口が900万人を超えたのか」です。
人口のような国家の基礎をなす統計でさえも、その値は一つではないのです。
 


いろいろな人口


人口のデータは大きくわけて2つないし3つあります。
 
1つ目は、国勢調査人口です。
資料等を元にするのではなく、ある地域に住んでいる人たちを実際に調査し、それを足し上げて統計としています。正確な現状を把握するのに適したアプローチですが、5年に一度しか調査されないため最新の統計がわからないのが難点です。
 
2つ目は、住民基本台帳に基づく人口
これは住民票を元に人数を数えた統計です。基盤となる資料があるため素早く精確な集計が可能ですが、それが実状をどこまで表しているかはわからないという問題が残ります。引っ越しても住民票を移さない人、届け出が遅れる人などがいるからです。
 
そして3つ目となるのが推計人口です。
国勢調査のデータを元に毎月の出生・死亡・転入・転出を加減して算出します。出生・死亡・転入・転出の管理は住民票をベースにして行なわれているので、上の2つをうまく組み合わせていることになります。国勢調査の正しいデータを元に(届け出ベースとはいえ)最新の状況を反映させているわけです。理屈で考えると出どころが違う2つの統計を合成するようなアプローチは感心しません。それでも、最新の人口を知りたいのならこれが一番実態に近い数値だと思われます。
 
東京23区で900万人を超えたのもこの推計人口です。
ただ、推計人口は飽くまで“理論値”なので、人口が本当に900万人を超えたのかは誰にもわかりません。
 


人口も定義次第


データにあまり関心がない人には、人口の統計は「ただ数える」だけなのでとても単純なものに映るでしょう。しかし、実際に数えるとなると、そう簡単にはいきません。「何をもって人口とするか」を確実に定義して、その定義にあった数え方をする必要があります。
 
あるラベルを貼られたデータ(例えば人口データ)があると、そこのまったく疑いを抱かない人も多いですが、データは誰かがつくるものです。その定義や測定の方法によって、さまざまなデータが生じ得るのです。
 


データーをどうやってつくるか想像しよう!


データというものは、コンピュータを使えば何でも弾き出せるようなものではありません。多くの場合、データは何らかの調査を元につくられます。そこには、何らかの定義や考え方が潜んでいます。
 
データを見るときは、その数値をただ信じるのではなく、どうやったらその数値がでるのかを一考することが有効です。決して専門家でなければわからないようなものではありません。普通に実際の作業を想像するだけでも充分です。

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