“存在しない意見”の見える化に要注意!


この記事の所要時間: 140秒 〜 240秒程度(1100文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
アンケートをつくっていると、ときどきテーマに夢中になって聞き過ぎてしまうことがあります。回答者が考えていないことにまで判断を迫り、そもそも“存在しない意見”までも見える化してしまうのです。
 

photo credit :  I, Timmy via photo pin cc photo credit : I, Timmy via photo pin cc

 


原発事故に関心がありますか?

例えば、次のような質問があったとします。

ロンドンオリンピックでの“なでしこジャパン”の活躍に期待しますか。
 1.期待する
 2.やや期待する
 3.あまり期待しない
 4.期待しない

このように問われると、“なでしこジャパン”にあまり興味がない人でも「期待する」や「やや期待する」に答えるのではないでしょうか。まあ、いずれの側が増えたとしても、そもそも興味がない人まで無理矢理「期待する」側と「期待しない」側にわけられてしまうことに変わりはありません。
 

あなたは福島第一原発の事故に関心がありますか。
 1.関心がある
 2.やや関心がある
 3.あまり関心がない
 4.関心がない

この質問だったらどうでしょう。「あまり関心がない」「関心がない」とは答え難いように思います。常日頃から大きな関心を払っていない人でも、多少の関心を膨らまして「関心がある」「やや関心がある」と答えることになります。
 
こういう世論をつくりたいのなら話は別ですが、そうでないのならもう少しひねった聞き方をするのが一つの方法です。例えば、関心と結び付く「“なでしこジャパン”の選手を何人知っているか」、「原発事故を取り上げたNHKスペシャルを見たか」などを質問することで、関心の程度を側面から押さるのです。
 


「買いたい」か「買いたくない」か

商品の購入意向などの質問でもそうです。
買うか買わないかを考えることさえしない人にまで、「買いたい」か「買いたくない」かの判断を迫り、その結果に一喜一憂しているようなことも珍しくありません。もちろん、「どちらでもない」という選択肢を加えたり、他の質問と組み合わて質問の対象とする回答者を減らしたりはしますが、すべてを取り除くことはできません。
経験で言えば、アンケートで「買いたい」と回答した人のうち実際に商品を購入するのは、多くて2〜3割程度でしょう。商品のタイプや質問の仕方にもよるので一概には言えませんが、「買いたい」をあまり信じると失敗の源になるのは間違いないようです。
 
アンケートを行なう時には、このような点にも注意が必要です。

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