LCC調査、「機会があれば利用したい」は潜在ユーザー?


この記事の所要時間: 150秒 〜 250秒程度(1172文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
相次ぐLCC(格安航空会社)の参入を受けて、東洋経済オンラインでLCC利用意向のアンケート調査結果が公開されました(LCCが続々就航、利用してみたいですか?――東洋経済1000人意識調査)。
 
結果は「機会があれば利用したい」が61.2%。この数値を見ると、かなり多くの利用意向があるように思えますが、そこにはちょっとしたからくりがあります。
 

photo credit : avlxyz via photo pin cc

 


「機会があれば利用したい」に答えざるを得ない

日本でLCC(格安航空会社)の就航が始まっています。あなたはすでに利用しましたか。また、まだ利用していない方は、今後利用してみたいですか。

 すでに利用した
 機会があれば利用したい
 どちらかといえば利用したくない
 利用したいとは思わない

 
これが、記事から再現したこのアンケートの質問です。
注目すべきは選択肢です。利用意向の強さが無視されていて、少しでも利用したい人はすべて「機会があれば利用したい」に答えざるを得ないつくりになっています。「積極的に利用したい人」を知るのではなく、「積極的に利用したくない人」だけを弁別するような選択肢なのです。
 
まあ、こういう歪みは多かれ少なかれアンケート調査に付きものなのですが、やや露骨な印象を受けます。しかし、調査目的が「LCCの利用意向が高いことを確認する」ならわからないわけではありません。
 


利用意向のレベルを聞けば・・・

しかし、このデータをマーケティング活動に使ってしまったら、大失敗は間違いないでしょう。潜在ユーザーを多く見積もり過ぎて、誤った道に進みます。
 
調査目的が「LCC利用の可能性が大きい属性を知る」だったら、こうはなりません。選択肢を例えば「ぜひ利用したい」「利用したい」「まあ利用したい」にわけて、「ぜひ利用したい」だけをチャンスがある潜在ユーザーと考えるでしょう。これまでの経験から、「利用したい」「まあ利用したい」のレベルにとどまる人が実際にその商品なりサービスなりを利用する可能性は低いからです。その上で、LCC潜在ユーザーの実際の利用を妨げている要因(利用できる便が少ない、安全性が心配、・・・)を把握し、潜在ユーザーの顕在化に励むことになります。
 


選択肢も調査目的次第

どちらかの選択肢が「正しい」、「正しくない」という問題ではありません。調査目的に応じた選択肢を用意すればいいのです。
 
ただし、その結果を外部に公開して誰かを説得したいなら、あまり恣意性を感じさせない選択肢にした方がよいでしょう。公平な質問をした上で、調査目的に役立つのが最善です。

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