成功するかは運次第 → だから準備が必要


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1275文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 

お金持ちはみんな粘り強くてよく働く人たちだからといって、粘り強くてよく働く人がみんなお金持ちになるとはかぎらない。失敗した起業家はたくさんいるけど、多くの場合彼らだって粘り強くてよく働く人たちだ。

 
これは直前の記事でも取り上げた『まぐれ』(ナシーム・ニコラス・タレブ/ダイヤモンド社)に出てくる一文です。成功者(お金持ち)からその共通点(粘り強くてよく働く)を見つけ出すことができても、それが成功要因とは限らないことを言っています。同じことをして失敗している人もたくさんいるからです。成功者の共通点さえ真似すれば必ず成功できるわけではありません。論理的に考えれば当然のことですが、このロジックの間違いは犯しがちです。
 


「老舗企業に学ぶ」は成立するか?


ビジネス誌などで「老舗企業に学ぶ」という特集が組まれることがあります。これも、この理屈で考えるとかなり怪しい論法といえるでしょう。現存している老舗企業と同じような経営手法をしていながら、数十年前に事業を閉めてしまった企業がどのくらいあるかわからないからです。
 
正しく検証するなら、ある時点で存在していた会社を無作為に抽出して、これを起点にある経営手法に従った企業と従わなかった企業で現存率が違うかを見なくてはなりません。このような検証が実際に可能かどうかは別にして、間違ったアプローチで成功要因を考えるのは危険なことです。
 


成功確率を上げるには・・・


さて、同じような経営手法を実現していても、成功する企業と成功しない企業があります。これらを隔てたのは、分析の対象としなかった別の要素か「運」の影響でしょう。運次第となると経営学やコンサルタントの立場がなくなるのですが、現実を正視するなら運の要素を認めるのがフェアな姿勢です。どの企業にも「違った歴史」があるのは当然だからです。
 
運次第だとしても、「運」を成功につなげられるかどうかは、そのときまでの準備にかかっています。いくらチャンスが回ってきても、準備が万全でなかったらそれを掴むことができません。企業が実力向上に励む必要があるのはこのためです。
 
準備をすれば必ず成功が勝ち取れるとは言えません。しかし、実力向上のための努力をしないより、成功する確率は上昇するのです。
 

成功の要因は???
ファイルのダウンロードはココから

 


自分自身がだまされないように!


人間は確率的に考えることが不得意です。このため、「これをやると成功する」は魅力的ですが、「これをやると成功確率が上昇する(かも知れない)」はあまり人気がありません。そこで、人を動かすためには、「これをやると成功する」に近い物言いをすることになります。
 
これをやり続けていると、そのうち自分自身まで「これをやると成功する」を信じてしまう人が出てきます。二枚舌を使えとは言いませんが、実際には「これをやると成功確率が上昇する(かも知れない)」であることを忘れないことが重要です。

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