利用規約を要約しよう


この記事の所要時間: 40秒 〜 50秒程度(2229文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
現実の生活の中でもインターネット上でも、新しいサービスを利用するときには規約や約款への同意を求められます。その多くは極めてわかり難く書かれており、とても読めたものではありません。利用規約の評判(?)は最悪です。
 
利用者にとって利用規約を読まないことは危険を伴います。自分に不利な条項が含まれているかも知れないからです。一方、サービスを提供する企業の側から見ても、利用者が利用規約を理解していないことは潜在的な脅威です。利用者が規約に違反した行為をする可能性が高くなり、利用者の暴走はサービスの評判を下げることになり兼ねません。
 
両者が望まない不幸な事態を避けるため、利用規約の在り方を改める必要があります。
 

photo credit : carlosedj via photo pin cc

 


利用規約は誰のためにある?


実は以前、仕事で関わったサイトの利用規約をつくったことがあります。利用者に少しでもわかりやすいものをつくろうとしましたが、結果的には他のサービスとあまり変わらない難解な規約になってしまいました。サイトの利用者にはいろいろな人がおり、中にはかなりの「困ったちゃん」も含まれると考えられるからです。このため、万が一の事態に備えて、企業やサービスを守ろうとすると、嫌でもまどろっこしい言い回し、難解な表現になってしまうのです。このとき、利用規約の作成目的は企業やサービスの「防衛」で、視線は社内に向いています。
 
本来なら、利用規約は、サイトの使い方についてのルールを利用者に周知するためにあるのでしょう。利用規約の作成目的は「案内」であり、その視線は利用者に向けられるべきです。これがやりたくても、なかなかできない現状があります。
 
利用規約のポジションが、「案内」ではなく「防衛」となるため、わかりにくい利用規約が生まれてしまうという構図です。今の時代、「防衛」が必要なのは間違いありませんが、だからといって「案内」が欠落していいというわけではないでしょう。利用者に利用規約をインストラクション(指導、伝授、教授)する必要があるのです。
 


利用規約をみずからら要約しよう!


先日、TechCrunchにインターネット上での「まあいっか」、これをやめることこそ利用者の利益という記事が掲載されました。TOS;DRというサイトの紹介で(TOS:Terms Of Service/利用規約)、このサイトでは「利用規約の要点をまとめ、また記述内容の中に潜在的な問題点を明らかにし、そして全体的にA(ベスト)からE(ワースト)までを評価」しています。TOS;DRは英語でのサービスですが、規約の要点や問題点をまとめることは日本語でも有効でしょう。
 
記事にもありますが、Wikipediaの利用規約は優秀です。みずから利用規約の要約を提供しているのです。冒頭に

免責事項:この要約は利用規約の一部ではなく、法的文書ではありません。完全な規約を理解するための手軽な参考資料に過ぎません。利用規約で使用される法的用語への分かりやすい橋渡し役としてお考えください。

とあるのがこの問題の難しさをあらわしていますが、要約を付けることで「防衛」と「案内」の併存が可能になっています。
 
利用規約を利用者に理解してもらうことで少しでも潜在的な脅威を減らしたいなら、どのような企業やサービスにとってもこのアプローチは極めて有効だと考えられます。
 


利用規約の要約を競えば・・・


さて、ここまで書いた通り、利用規約はサービスを提供する企業が要約するのが最善です。しかし、それがない場合はどうしたらいいのでしょう。TOS;DRに倣って勝手に要約するのが一番です。グループをつくってシステム的に要約するのではTOS;DRの真似になってしまいますから、個人での要約を提案します。
 
誰か一人(ないし数人)が犠牲になれば、他の利用者の利益につながるという考え方です。ゲームのようにおもしろがって要約を競いあうような仕組みをつくって共有できれば、かなりの効果が期待できるでしょう。実際にそんなサイトを立ち上げるつもりはありませんが、おもしろいアイデアのように思いました。

ちなみに、多くの人が「同意」しているであろうTwitterの利用規約を佐々木なりに抜粋要約すると以下の通りです。まったく以って個人的な要約なので省略(抜け、漏れ)がたくさんありますが、よろしければご参考まで。

・利用規約は英語版が正式で、これに法的効力がある。日本語版は参考。

・Twitterのサービスにアクセスしただけで、規約拘束に同意したことになる。

・Twitterに投稿した発言についてはユーザーに全責任がある。

・Twitterは発言を管理、監視しない。発言内容の正確性等を保証しない。

・利用者がTwitterに提供した情報は、Twitterが自由に使える。

・パスワードの管理は利用者に責任がある。

・Twitterは問題があった場合、ユーザーを削除できる。

  1. はじめまして。「利用規約の要約」でGoogle 検索して来ました。

    ちょうどいまTumblr のアカウントを取ったところで、
    例によって「利用規約を読みましたチェックボックス」が現れました。

    「いつもあるな、コレ。待てよ、この面倒さはみんな感じているはずだ。
    要約してあげたら、誰かの役に立つんじゃないか?」
    なんて思って、同じことを考えたり実行したりしている人がいないか、
    探してみた次第です。

    佐々木孝さんの記事には、すでに素晴らしい考察が織り込まれていて、
    大いに刺激を受けました。
    いきなり大きなことはできないけれど、勉強したり、
    ブログでちょっとした要約を(きちんと要約と断って)書いてみたり、
    簡単なことから試してみたくなりました。

    一年前の記事に長文のコメントをしてしまってすみません。
    自分が気がついたことに誰かが既に言及していると、興奮してしまうものですね(笑)。

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