仮説のための情報、決断のための情報


この記事の所要時間: 140秒 〜 240秒程度(1077文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
ダイヤモンド・オンラインにIT調査会社 ガートナー社のCIO ダーコ・ヘリック氏のインタビュー記事が掲載されていました。ガートナー社は世界中の「CIO向けにさまざまなアドバイスやサービスを提供」している企業ですから、そのCIOがデータ活用について何をどのように考えているかは興味を惹かれるところです。
 


ソーシャルメディアの情報とは質が違う


この中で佐々木が注目したのは以下の箇所です。

ソーシャルメディアが、ガートナーのビジネスにとって脅威になるのではという質問をよく受けますが、インターネットで共有されているような情報は、ガートナーが日々の対話のなかで収集しているデータのほんの表面をなでたような情報にすぎないものです。実際にはより深く、重い内容があり、そのような情報はセキュリティで守られたプライベートな情報であり、インターネットで公開されているような情報には見当たりません。法務的なアドバイスをインターネットでもらうのと、顧問弁護士に聞くのとでは違うのと同じです。

 
ヘリック氏は、ソーシャルメディアがもたらす情報とガートナー社がつくり出す情報には質の違いがあると言っています。至って当然の主張ですが、最近のデータ活用の議論ではこの視点が見落とされているように思えてなりません。データや情報の質を無視して、何にでも活用しようとしている印象を受けます。
 


決断のために必要な情報は?


さて、極めて大雑把に考えると、データや情報は、①仮説を構築するため、②仮説を検証してその採否を決断するために活用できます。この2つでは目的が違うため、求められるデータや情報の精度ももちろん違ってきます。
 
お店でお客さんと話すことで新商品のアイデアが生まれるかも知れません。これで仮説はできます。しかし、その商品を本格的に売り出すのなら投資額に見合った検証をしなくてはあまりに危険ということです。
 
ソーシャルメディアがもたらす情報はアイデアを得る=仮説を構築するには充分役立つでしょう。なにぶん量が莫大なので、ヒントはたくさん含まれています。ただし、現時点では検証には不向きな精度だと考えられます。データおよびその収集方法に偏りが大きいためです。
 
データや情報が世に溢れているからこそ、仮説のための情報と決断のための情報を使い分けることが重要です。決断にあたってはしっかりした設計で収集したデータや情報を使うことが、予想外の不幸な結果を招かないための唯一の方法です。

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