インバウンド・マーケティングは消費者像に要注意!


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1437文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
最近よく見かける言葉にインバウンド・マーケティングがあります。まだまだご存知ない方も多いでしょうが、いくつかのIT系ニュースサイトが積極的に取り上げており、今後注目を集めるようになるのは必至です。流行は、自然に起きるものではなく誰かがつくるものですから、その成功・失敗はあるにせよある程度の盛り上がりが予想されます。
 
マーケティング関連のはやり言葉を追いかけてもあまり意味が無いことは経験的にわかっています。ただ、「知らない」では済まないこともあり、また長く定着するような大切な概念でないとも言い切れず、多少は齧っておいた方がいいのは間違いありません。
 

photo credit : Folk Media via photo pin cc


 


インバウンド・マーケティングとは?

そこで、インバウンド・マーケティングについて少し調べてみたのですが、正直言ってよくわかりませんでした。いろいろな人があれこれ言っていて、それぞれの思惑があるせいか内容がバラバラで、その意味が掴み切れないのです。
 
どうやらプロモーション中心の考え方で

 ●企業側から消費者に売り込まない
 ●消費者側に見つけてもらう
 ●そのためにソーシャルメディアを使う

のは間違いないようですが、「どこが新しいのか」、「実際の購買にどうつなげるのか」、「果たして有効な手法なのか」は曖昧です。
 
これをバズワードにしないためには中心となる企業か人物が必要です。そのためのつばぜり合いが繰り広げられているからこそいろいろな解釈が成り立つのですが、この状態が長く続くとあまりよいことはありません。マーケティング関連でよく見られる、いつものパターンに陥ってしまいます。
 


「積極的な」消費者は幻想?

さて、この手法が有効かどうかの判断は棚上げにして、利用するならば忘れてはならない注意点を一つ指摘しましょう。それは消費者の捉え方の部分です。新しいマーケティング手法が登場したときによく感じる違和感がここにもあるのです。
 
その違和感とは、「その商品に関心が強く」「情報収集が得意で」「そのための努力を惜しまない」「積極的な」消費者を想定し過ぎている点です。もちろん、自動車、スマートフォン、衣料等の関与が高い商品なら話は別なのですが、消費者は多くの商品群について「適当にモノを選んでいる」と考えられます。擦れっ枯らしのマーケターとしては、このように「積極的な」消費者像を安易に想定することは幻想の消費者を追い求めているように思えてなりません。
 
ある業界に長く居ると、その商品群に詳しくなり、消費者も同じような興味や知識を持っていると勘違いするようになります。「そんなことわかっている」と言われそうですが、消費者は興味のない商品については驚くほど何も知りません。この点を忘れて、「積極的な」消費者を前提に戦略をつくるとその根本が間違っていることになってしまいます。
 
自社が取り扱っている商品が消費者にどの程度興味を持たれていて、その結果どのような行動を取る可能性があるのかを現実的に考える必要があります。インバウンド・マーケティングにあてはめるなら、「その商品を消費者が見つけようとする可能性がどの程度あるか」です。この手法を採用しようと考えるなら、この点を充分に検討することが必要です。

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