「結婚適齢期」はマボロシか?


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1271文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
Business Media 誠に「結婚適齢期って、いつごろ?」という記事がありました。リクルート ブライダル総研によるインターネット調査(対象:20~40代の未婚・既婚の男女3096人)の結果を紹介するものです。「結婚適齢期は何歳だと思いますか?」への回答の平均は、既婚者で男性30.0歳、女性27.0歳、未婚者で男性31.0歳、女性27.8歳となっています。
 
このアンケート調査、正直言ってあまり関心しません。日ごろ結婚適齢期など意識していない多くの人が、この質問をされたことによって無理に結婚適齢期を回答していると想像されるからです。一般の人が普段あまり考えないようなことでも、アンケート調査を行えば多くの回答が集まり、もっともらしい結果を導き出せます。その結果はある種の虚像です。まあ、「考えもしないようなことをあえて質問することに意味がある」という論法もありますが、やはり筋がいいやり方とは思えません。
 
この点をスルーしたとしても、「結婚適齢期なんて時代遅れでは」と思います。以前のように多くの人が狭い年齢幅で結婚していた時代ならいざ知らず、結婚年齢のバラツキが大きくなった時代に結婚適齢期はマボロシに過ぎないのではないでしょうか。さて、こんなことを根拠なしに言っても意味が無いので、少しデータをあたってみましょう。
 


結婚適齢期はだんだん広がっている


この記事でも引用している厚生労働省「平成22年人口動態統計」に初婚年齢の分布があります。このデータを元に、平均初婚年齢だけでなくそのバラツキ(標準偏差)を時系列で算出してみたところ以下のグラフのようになります。

   ※人口動態統計は初婚年齢がカテゴリー化(例えば25歳〜29歳)されているため、
    便宜的にカテゴリーの中央値(この場合27歳)を使って数値を算出した。
    このため平均初婚年齢が厚生労働省発表値とやや異なる。

 

 
いかがでしょう。
結婚適齢期を「平均ー標準偏差」〜「平均+標準偏差」(正規分布の場合、この範囲に全体の約3分の2の人が含まれる)と仮定して図示したのですが、平均初婚年齢の上昇とともに適齢期の幅が広がっていることがわかります。男性の場合、2010年の適齢期の幅は12歳を超えています。このグラフを見ると、時代とともに適齢期というものが形骸化している様子がおわかりになるのではないでしょうか。
 


平均だけじゃわからない!


さて、数多くのデータがある場合、そのままでは扱いにくいので何らかの方法で情報を圧縮します。このときよく使われるのが平均値です。平均値は一つの値で全体を代表できるのでとても便利ですが、分布にどのくらいのバラツキがあるのかをあらわしません。
 
上記の例のようにバラツキを見ないと、データの本質的な部分を見損なう可能性があります。データの平均を見るときには、バラツキ(標準偏差)もあわせて見ることが大切になるのです。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.