欠陥地図?アップルだって万能じゃない!


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1242文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
iPhone 5が発売になりました。
そして早速、iOS6の地図アプリの出来の悪さが話題になっています。今まで搭載されていたGoogle製の地図と較べて「スカスカで」「建物などの位置や名称が間違っている」ためです。まあ、純正アプリが役に立たなかったら代わりのアプリを使えばいいだけなのですが(例えばSafariからGoogle Mapを使用)、向かうところ敵なしのように見える好調企業の明らかな失態なため、どうも世間の風当たりは強いようです。
 
さて、この騒動を見ていて思うのは、「アップルだって決して万能な会社ではない」ということです。アップルに限らず、すべての面で優れた会社などどこにもないでしょう。
 

photo credit : laihiu via photo pin cc

 


「アップルだから素晴らしい」は短絡的

以前、一橋大学大学院商学研究科教授 沼上幹先生の『経営戦略の思考法』(日本経済新聞出版社)から、以下の3つの思考法を紹介したことがあります。
 

 ●カテゴリー適用法
   ある現象をより大きなカテゴリーの一員に位置づけることで説明できる
   と考える思考法

 ●要因列挙法
   ある現象の原因となる要因を多数列挙して網羅的に検討する思考法

 ●メカニズム解明法
   様々な要因や人の行為と相互作用に注目し、時間展開の中でこれらが
   複雑に絡み合う様子を解明する思考法

 
この枠組が今回の騒動を説明するのにも役立ちます。なぜなら、「◯◯ブランドの商品だから素晴らしい」とカテゴリー適用法で考える人が多いことが、ブランドの一側面だからです。企業が期待に応える商品を出しているうちは、企業も消費者も負担が減って得をします。しかし、企業が新たな商品ジャンルに手を出したときは、これが成り立たない場合もあるのです。
 
個々の商品には別々の成功要因があり、それらの成功要因が応用できない分野については、アップルとて成功できるとは限りません。「アップルだから素晴らしい」というカテゴリー適用法は短絡的で間違いの元です。この場合はメカニズム解明法で考える必要があるのです。
 
アップルはコンテンツを取り扱う仕組みをつくるのは上手ですが、コンテンツ自体をつくることには不慣れです。地図は、この不得意な部分に含まれるでしょう。
 
何ごとにおいても「一事が万事」という考え方は危険を伴います。アップルだから素晴らしい製品を出せるとは限りませんし、また今回失敗したからといってこのままアップルが駄目になるわけでもありません。時には冷静になって、メカニズム解明法でしっかり判断することが必要になります。

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