NHK、受信料支払率発表はマイナス影響?


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1232文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
NHK受信料の都道府県別支払率が発表されました。

 NHK:受信料支払率、都市部で低調…都道府県別を初算出|毎日新聞

 
全国平均の支払率は72.5%ですが、都道府県によるバラツキがかなり大きく、最も高い秋田県では94.6%、最も低い沖縄県では(受信料制度の適用が遅いという事情があるとはいえ)42.0%となっています。平均値だけでは実態をあらわせないことを示す好例と言えるでしょう。72.5%という全国平均値から直感的にイメージした各都道府県の支払率の分布の幅は65.0%〜80.0%だったのですが、思ったよりもだいぶバラけています。
 
さて、NHKはこの調査結果について「収納活動の向上に役立てたい」としているようですが、果たしてうまくいくでしょうか。
 
残念ながら、今回の都道府県別支払率発表により支払率は更に低下すると想像されます。

 

photo credit : jaypen_g via photopin cc

 


赤信号、みんなで渡れば怖くない?


理由は簡単です。
沖縄県では42.0%、大阪では57.2%、東京都では60.8%という低い支払率の数値を見て、「うちも払わなくていいのでは?」という心理がはたらく人が出てくると推測されるからです。また、これらの数値は支払わない人の言い訳にも使われるでしょう。
 
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のような理屈が展開され、支払率低下→払わなくてもいいと思う人の増加→更なる支払率低下といった負のスパイラルに入ることは必至のように思われます。
 


他人の行動で判断は変わる


企業は自社の製品やサービスが広く一般に使われていること、好まれていることを周知したがります。広告に「売上ランキング1位」「登録ユーザー数◯百万人」「興行収入◯◯億円突破」などの惹句を使うのもそのためです。
 
もちろん、広報活動でも同様で「使われている」「好まれている」ことを示す資料を積極的にリリースします。他人も使っているという情報が人の判断を変えることを経験的に知っているからです。
 
一方、ネガティブな情報は積極的にオープンにしません。逆の効果が想像されますから当然でしょう。このようなメッセージのコントロールも、マーケティング活動の一環です。
 
NHKは、このことがわかっていても、公共性が高い組織であるため、データを公表するしかなかったのでしょう。そして、公表するなら「収納活動の向上に役立てたい」と言うのは必然です。しかし、それは適わぬ望みとなりそうです。
 
NHKは来年以降も継続的に支払率を公表する予定です。
今後の指標の動きに注目したいところです。

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