ビックロで考える「良いものは良い」という錯覚


この記事の所要時間: 150秒 〜 250秒程度(1173文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
昨日、新宿東口に「ビックロ」がオープンしました。
家電不況の中、家電量販店と衣料品大手の異業種コラボは意欲的な取り組みと言えるでしょう。その成否は当然ながらまだわかりませんが、ここ数日の新聞やニュース番組を見る限り、オープン時の話題づくりは大成功のようです。
 
さて、数日前、ビックロについて興味深いツイートがありました。


これは、デザイナー/エンジニアで慶應義塾大学教授の山中俊治さん(@Yam_eye)のツイートで、大学の講義に招いた佐藤可士和さんの発言です。「ともかくかっこ良くならないように気をつけた」は、けだし名言だと思います。
 

photo credit : ralphbijker via photopin cc

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「良いものは良い」とは限らない


一般論で考えれば、「かっこ良いもの」と「かっこ良くないもの」を比較した場合、「かっこ良いもの」の方が優れていると言えるでしょう。この価値観で単純に考えを進めると、少しでも「かっこ良いもの」を目指すことになります。「かっこ良い」を「品質が良い」「機能が豊富な」などに置き換えても同じことです。
 
一般論ならそれでいいのですが、実際のビジネスの世界は「良いものは良い」となるほど単純ではありません。ターゲットとなる消費者が求めるレベルとフィットすることが大切です。「かっこ良い広告」をつくり、多くの人にそのセンスを絶賛され、更に数々の広告賞を取ったとしても、その広告が消費者に響かなければ何ら価値はないのです。
 
企業でも個人でも、少しでも優れたものを目指そうという姿勢は評価されて当然です。しかし、この価値観だけで突き進むと、ターゲットには評価されないひとりよがりの「良いもの」をつくって失敗することになります。「消費者が求めるレベルとフィットする」ことを忘れてはなりません。常に消費者の立場で考えて、自身がつくったものを再評価する必要があるのです。
 
この注意を促す表現として、第一線で活躍するクリエイティブディレクターの

ともかくかっこ良くならないように気をつけた。

という発言は、やはり名言だと思います。

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