口コミをモンテカルロでシミュレーション !


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1699文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
モンテカルロ法によるシミュレーションが役立つ分野として、ネットワークの分析があります。際限なく張り巡らされた数多くの「関係」を数式で計算するのは容易でないため、力ずくが得意なモンテカルロ法が生きてくるのです。
 
本格的にネットワークを分析するには専門的な知識が必要ですし、到底エクセルでできるようなものではありません。しかし、ネットワークの分析では、一般的なデータ分析とはまったく違った現象を見られるので、その雰囲気だけでも伝えられたらと思います。素人のお遊びといってしまえばそれまでですが、ちょっとお付き合いください。
 

 


100人中10人を超えると・・・


ネットワークの特徴がよくあらわれる現象として、口コミを考えます。
 
シミュレーションを行なうため、以下のような設定をしました。

 ・人口【100人】の村がある。

 ・最初の段階で口コミ情報の認知率は【5%】。

 ・村人は毎日【20個】のグループにわかれて会合する。
  各グループの人数は不定。

 ・グループの【20%】以上が口コミ情報を知っている場合、情報が伝播する。
  ただし全員に伝わるわけではなく、伝播の確率は【50%】。
  すでに情報を知っていた人を含め、この確率で口コミ情報を認知する。

 
要は、毎日毎日違ったグループができて、そのグループの状態によって口コミ情報が伝播したり伝播しなかったりするという設定です。グループ内で情報が伝播する場合でも、全員に伝わるとは限らないと考えて、伝播の確率も設定しました。【  】で括った数値は変数です。どういう設定をしてもいいのですが、まずはこれでシミュレーションしてみます。
 
さて、この条件でシミュレーションしたところ、10日間の口コミ認知人数の推移は以下の通りとなりました。

例のごとく10回やってみたのですが、結果はバラバラです。ただ、#02や#06を見て読み取れるのは10〜15人を超えるまでが大変で、その人数まで達すれば後は急激に情報が広がるということです。
 
このシミュレーションがもろもろ荒っぽいのは間違いありませんが、ネットワークの現象には閾値を超えると爆発的に大きな変化が起きるという特徴があります。その意味では、この結果にもネットワークにおける情報の広がりの独特な部分を感じさせるおもしろい部分があるように思います。
 


ちょっと設定を変えるとまったく違った結果に


ネットワークの現象はちょっとした変化で結果が大きく異なるのが特徴です。
 
口コミ情報の内容がおもしろくなく、その結果、グループ内で伝播が起きる基準値が【20%】ではなく【30%】だったとしてみましょう。

その結果がこれなのですが、情報の伝わり方は極めてのんびりになることがわかっていただけると思います。#02だけ少し伸びていますが、それでも爆発的な増加は見られません。ネットワークを考えた場合、ちょっとした違いで結果が大きく変わるのです。
 
やや飛躍しますが、TwitterやFacebookでおもわぬ情報が拡散したりするのも、ネットワーク独特の現象によるものです。今回のシミュレーションからわかることは限られるでしょうが、ネットワークの分析は一筋縄ではいかないことだけでもわかってもらえばと思います。


モンテカルロ法はおもしろい


さて、今週はモンテカルロ法にこだわってみました。
エクセルで行なったがゆえに限界もありますが、おもしろい手法であることはわかっていただけたのではないでしょうか。
また、新しいシミュレーションが思いついたらご紹介しようと思っています。

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