ビッグデータ、もう一つの「How」


この記事の所要時間: 150秒 〜 250秒程度(1196文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
前回(ビッグデータの「How」を疑おう!)はビッグデータの「How」について疑問を呈しましたが、期待している分析方法もあります。それは、今までにないほど大きなデータを使って単純な集計をするパターンです。大量のデータを積み重ねることによって、特に複雑なことをしなくても価値ある結果を生み出すことができるのです。
 

photo credit : Garrettc via photopin cc

 


通行可能な道路を示す「自動車・通行実績情報マップ」


強く印象に残っているのが、東日本大震災直後に公開された自動車・通行実績情報マップです。
 
このマップは、本田技研工業のカーナビ「インターナビ」を搭載する車から集まった走行軌跡データを集計して、前日に車の走行があった道路をGoogleマップ上に示したものです。走行があった道路は「通れる」、走行がなかった道路は「通れない可能性がある」というわけです。
 
誰でもわかるほど単純な考え方、仕組みでありながら、データの大きさが生かせるこういうデータ活用は奇を衒うところなく素晴らしいと言えるでしょう。もちろん、考え方は「単純」でも実現には大きな困難があった筈です。地に足付いたビッグデータ活用の好事例だと思います。
 


未然に事故を防ぐ「交通事故予測マップ」


似たような事例で申し訳ないのですが、埼玉県道路政策課の取り組みも見逃せません。
(参考:『社会を変える“ビッグデータ”革命』クローズアップ現代/NHK)
 
具体的には、まずカーナビのデータから急ブレーキを掛けた可能性が高い「車のスピードが急に落ちている場所」を特定します。そして、そこを交通事故が起こりやすい場所と考えて、道路にラインを引いたり、街路樹を伐採して視界をよくしたりすることで、未然に事故を防ぐのです。まさに交通事故予測です。これまた素晴らしい取り組みと言えるでしょう。
 


「単純」なビッグデータ活用は堅牢、確実


事例がカーナビのデータに偏ってしまいましたが、こういう「単純」なビッグデータ分析は大きな価値を生み出す可能性があります。複雑な分析と違って分析結果が堅牢で、確実に効果が期待できるからです。
 
そして、これを実現するために必要なのはデータから価値を見つけ出すセンスです。ビッグデータについての技術競争が、細かな分析スキル寄りの議論になる中、本当に求められているのはセンスだと考えられます。
 
スキルとなる「最新の分析技術」ではなく、センスをうまく生かすような「単純」なビッグデータ活用が増えることに期待したいものです。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.