パーセントで考えるべき3つの理由


この記事の所要時間: 350秒 〜 450秒程度(2143文字)


インターネットを見ていると、「リツイート1万件超え」、「100万ダウンロード達成」などの惹句を目にすることがある。大きな数値は刺激的で、ついつい直感的に「凄い!」と思ってしまうが、こういう表現には充分な注意を払った方がいいだろう。これらの数値はあくまで実数であって、パーセントではないからだ。
 
実数は魅力的だ。
「リツイート1万件超え」とあれば、1万人がツイートしている姿を思い浮かべることができる。「凄い!」と思うのはこのリアリティによるものだろう。一方で、「40%から支持を集める」はメッセージとして弱い。10人中4人が支持しているという状態の凄さが伝わりにくいのだ。
 
しかし、それでもパーセントで考えることは重要だ。
実数だけではわからない部分がたくさんある。
今回は、実数ではなくパーセントで考えるべき3つの理由を紹介しよう。
 

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数値が大きくてもパーセントが高いとは限らない


まず大切なのは「数値が大きくてもパーセントが高いとは限らない」ということだ。
 
例えば、「このアプリケーションを1万人が賞賛」とあったとしても、ダウロード数が100万回だったらそのパーセントは1%に過ぎない。もちろん、アプリケーション提供側が何の問い掛けもせずに1%もの人が賞賛したなら素晴らしいが(どうやってデータを取るかは別にして)、何らかのアプローチをして1%の賞賛だったらかなり厳しい評価である。
 
当たり前のことだが、計算の分母が大きければ、低いパーセントでも分子は大きくなる。大きな数字によって判断を間違えないためには、すぐに「凄い!」と思わず、「パーセントにしたらどうなるか」を考えることが必要だ。
 


パーセントの方が比較しやすい


数値を見るときには比較の視点が欠かせない。
数値が一つあっただけでは、それが大きいのか小さいのか、多いのか少ないのか、意味が取れないのだ。
 
実数同士でも比較できるものの、比較にはパーセントが向いている。
フェイスブックの「いいね!」の数を比較するとしよう。片方のサイトが50、もう片方のサイトが30だったら、当然ながら前者の方が「いいね!」が多い。しかし、前者が大手企業のサイト、後者が中小企業のサイトだったらどうだろう。前者の方がアクセス数が圧倒的に多く、訪問者に占める「いいね!」クリック率は低いと想像できないだろうか。
 
もちろん、アクセス数を集めること自体がサイトのチカラだと考えれば、前者の方が優れていることになる。でも、コンテンツの出来不出来を測るなら、「いいね!」のクリック率が高いであろう後者が優位な筈だ。
 
実数は簡単に比較できるが、分母が大きく違うものを比較するとおかしなことになり兼ねない。これに対して、パーセントにすれば多くのモノを一つの基準で比較し易くなる。これがパーセントを使うべく2つ目の理由だ。
 


マーケット全体にも応用可能


パーセントは応用範囲が広い。
 
30人から評価されているサイトがあったとする。
この実数だけでは、そのサイトを広告してアクセス数が増えたときに、評価の数がどれだけ増えるかわからない。一方、30%の人から評価を受けていることがわかっているサイトなら、同じことをした場合、アクセス数増加分 × 30% の評価増が見込める。
 
当たり前のようだが、この応用範囲の広さがパーセントの強みだ。
 


使いわけのススメ


実を言えば、実数もパーセントも一長一短だ。
どちらか一方が常に優れているわけではない。今回このような書き方をしたのは、最近、実数が幅を効かせ過ぎているように感じていたからだ。メッセージとして実数が強力だからといって、パーセントをないがしろにして実数だけで議論していては道を誤る。
 
システムがいろいろな数値を吐き出すようになると、そのシステムが選んだデフォルトの「数値の見方」を受け入れることが多くなる。パーセントで見るか、実数で見るかはシステムの開発者が決めることにになり、それを押し付けるつもりはなくてもスタンダードになる。
 
ところが、中にはあまり好ましくない「数値の見方」を選ぶシステムがある。
それでもシステムが出す数字は「何となくもっともらしい」ので、それをそのまま使ってしまう人が大半だ。ここに落とし穴がある。
 
数値を見るときは、どんな見方が適しているのか、適宜自分自身で考える必要がある。
世のスタンダードに合わせることも大切だし、それでいいことも多い。しかし、数値の見方については一手間掛けることで大きな効果が期待できる。
 
ビジネスで成功したいなら、この一手間を確実に実行するべきだ。
地味な努力だが、データを使いこなすことが求められるこの時代だからこそ、こういう基礎的な注意が武器になる。

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