焼鳥と統計 タレが好きでも塩を選べ!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1603文字)


はじめて入った居酒屋で焼鳥の盛り合わせを頼んだとしよう。最近はどの店でも「タレにしますか?塩にしますか?」と聞いてくる。あなたはこれにどう答えるだろうか。
 
人によって「タレ」が好きだったり、「塩」が好きだったりするのは当然だが、ここは迷わず「塩」と答えることをオススメする。なぜなら、統計的に考えた場合(?)、そう答えるのが正しいからだ。
 

photo credit : Dr. RawheaD via photopin cc

photo credit : Dr. RawheaD via photopin cc

 


塩を選んだ方がいい理由


しっかりと統計を取ったわけではないものの、タレの焼鳥は塩の焼鳥と較べて当たり外れが激しい。塩は良い塩を使おうと悪い塩を使おうと味に大差はないが、タレはお店や料理人による味の違いが大きいからだ。甘かったり辛かったり、上品だったり下品だったり、酷いタレにあたった日には目も当てられない。
 
自分の満足を基準に焼鳥の味を得点化して、タレの平均値が75点、塩の平均が70点だったとしよう。こうなるとタレを選んだ方が良さそうだが、ちょっと待って欲しい。平均値だけで判断しては失敗する可能性が高いのだ。慎重を期すなら、バラツキを考える必要がある。
 
例えば、タレのバラツキが±25点、塩のバラツキが±5点だったとすると、タレは100点〜50点、塩は75点〜65点に分布することになる。この場合でも、タレが塩を上回る可能性が高いが、タレの焼鳥を選ぶと50点というかなり残念な味になることも考えられる。これと較べて、塩の焼鳥の方は当たっても外れてもその変化の幅は小さい。はじめて入った居酒屋では、塩を選んだ方がいいのはこれが理由だ。最悪の事態を避けたいなら、バラツキの大きいタレを選ばない方が安全となる。
 
この話、もちろんタレと塩の味のバラツキはいい加減に決めたのだが、バラツキを考えることが大事さはわかっていただけるだろう。何かと何かの数値を較べるとき、馬鹿の一つ覚えのように平均を使う習慣があるが、それではうまくいかない場合も多いのだ。
 


新しい比較方法を探せ!


さて、「AよりBが勝っている」とはどういうことだろうか。
 
比較する指標が決まっていて、AさんとBさんを較べているなら話は簡単だ。ところが、A国人、B国人といった集団同士を較べるとなると、話は一気にややこしくなる。A国人もB国人も1人ではないからだ。平均値でA国人がB国人を上回ったとしても、多くのA国人に勝るB国人もほぼ必ず存在する。逆に言えば、B国人になかなか勝てないA国人も居る筈だ。
 
日本企業の技術力の平均値が欧州企業のそれと較べて高いと仮定しよう。
しかし、もしそうだとしても、日本企業の技術力がすべての欧州企業の技術力を上回っている訳はない。日本、欧州のいずれでも、技術力が高い企業と低い企業があるからだ。この意味で、特定の企業や業界を想定せず「日本の技術力は高い」として議論を進めることには危険がある。日本がすべてにおいて勝っているわけはないからだ。「AよりBが勝っている」の意味するところを突き詰めて考えないと、こういう単純な考え違いに陥ることも多い。
 
2つ集団を較べる際、便利なのでついつい平均値を使うことになる。しかし、平均値は集団を代表しているだけで、集団のすべてをあらわしいる訳ではない。その時々の目的に応じて、さまざまな比較方法が必要になるのだ。
 
ビジネスにおいて、この部分はキーになる。
新しい比較方法を見つけることは、商機につながるからだ。既存の平均値を使った比較方法を常に疑い、状況にあった新しい比較方法を探すことをオススメする。

  1. コメントはまだありません。

  1. トラックバックはまだありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.