『中小企業白書』をエクセルデータで提供中!


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最近、オープンデータをめぐる動きが活発だ。
昨年(2012年)の夏、総務省がオープンデータ流通推進コンソーシアムを設立したあたりからオープンデータという言葉をよく見掛けるようになり、近ごろではビッグデータとの関連で語られることも多い。
 
オープンデータと言われてもピンと来ない人が多いだろう。
簡単にいえば、オープンデータとは無償で一般公開されているデータのことだ。データそのものだけでなく、オープンデータの利用促進活動を含めて言うことも多い。堅苦しく説明するなら、「特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるというアイデア」となる(参考:オープンデータ|ウィキペディア日本語版)。
 
オープンデータ流通推進コンソーシアムは「オープンデータの推進のためには、まずは政府や地方公共団体等が自ら積極的にデータを公開することが重要」と言っている。このため各省庁の動きもよく、つい先日は経済産業省の試験サイトOpen DATA METIが開設された。
 

photo credit : brycej via photopin cc

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『中小企業白書』をエクセルデータで!


Open DATA METIでは、既にいくつかのデータが公開されている。
中小企業に直接関連するもので言えば、中小企業実態基本調査中小企業白書だ。
 
実は、『中小企業白書』は以前から中小企業庁のホームページで公開されており、無料提供自体に目新しさはない。ただし、これまでのホームページとOpen DATA METIではデータ公開のフォーマットが大きく違う。
 
中小企業庁で公開されているのがhtml版とPDF版なのに対して、Open DATA METIでは図表のエクセルデータも提供されているのだ。どちらが再利用し易いかは、考えるまでもないだろう。ありがたいことである。
 


「改変禁止」に戸惑い


さて、早速このデータを報告書等で再利用しようと考えるのだが、ひとつ問題がある。
クリエイティブ・コモンズの宣言が表示 – 改変禁止なのだ。
 
クリエイティブ・コモンズは「著作物の適正な再利用の促進を目的」としており、オープンデータに適した著作権の主張と言える。しかし、この表示 – 改変禁止ライセンスの場合、再利用は「あなたは原著作者のクレジットを表示しなければなりません。」「 あなたはこの作品を改変、変形または加工してはなりません。」という条件付きになる。
 
この条件を四角四面に受け入れるなら(もちろん受け入れなくてはならないのだが)、セルの強調やグラフの変形もできないことになってしまう。これでは、PDF版から引用する場合と較べて、あまり進歩がない。便利になったようで、そんなに便利になっていないのだ。ここにはちょっとした戸惑いを感じる。
 
悪意の人が、データを改変したり、グラフをデフォルメしたりすることを防ぐための措置だと思うが、これでは使い勝手が悪過ぎる。悪意の人はどんな宣言をしても悪用するのだから、ここは腹をくくって(?)改変を許可してもらいたいものだ。
 


オープンデータの未来は明るい?


オープンデータの意味するところは、これまで紙で提供していたデータをデジタル化することではない。もっと広範囲のデータを公開してデータの有効活用を促すことで、そこから新しい知見なり、商機なりを生み出すことを目指している。この流れで考えると、今回紹介した『中小企業白書』のエクセルデータ提供は極めて限定的な取り組みのようにも思えてくる。本来の目的からまだまだ遠いところにあるのは間違いない。
 
しかし、オープンデータの動きはまだはじまったばかりだ。
公開されたデータを有効活用して価値を生み出す企業や個人が増えてくれば、また新しい動きが起きることも期待できるだろう。オープンデータの動きを歓迎するならば、今あるデータを有効活用して「もっとオープンデータを推進しよう!」を思わせなければならない。もちろん、自分も微力ながら協力できればと思っている。データのチカラを信じており、データを少しでもビジネスに役立てたいと考えているからだ。
 
正のスパイラスが回りだせば、オープンデータの未来は明るい。
この回転に勢いをつけるためにも、「まずは使ってみる」ことをオススメする。

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