カフェ参入に本格コーヒーは必要ない!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1628文字)


コーヒーが熱い。
マクドナルドやセブンイレブンをはじめとした各社が、コーヒー事業に注力しているらしいのだ(参考:コーヒー需要拡大、顧客争奪戦へ マクドナルド、セブン…異業種続々|SankeiBiz)。
 
スターバックスが成功したこともあってか、コーヒー市場についてのこの手の記事は毎年のように登場する。二匹目のどじょうを狙う各社がコーヒー事業をてこ入れすることで、「市場が変わる」というニュースだ。身近な飲み物だけに話題になり易いのだろうが、ほとんどの成功ストーリーには無理があり、読んでいて呆れてしまうことも多い。
 
コーヒー事業に関する記事でいつも不思議に思うのは、どの会社も「本格的なコーヒー」を謳うところだ。そんなものを目指しても、成功は勝ち取れないだろう。
 
なぜ、本格コーヒーは必要ないと言えるのか。
今回はこれについて説明する。
 

photo credit : Martin Gommel via photopin cc

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求められているのは「快適さ」では・・・


人がお金を払うのは、その対価に期待するからだ。
これを手に入れれば「こんないいことがある」、「あんないいこともある」と考えて商品を購入する。マーケティングでは、この「いいこと」をベネフィット(便益、恩恵)と呼ぶことが多い。
 
ベネフィットには中心的な要素と周辺的な要素がある。
カフェでコーヒーを飲む場面を考えれば、中心ベネフィットが「おいしいと感じること」、「体があたたまること」、「水分が取れること」など、周辺ベネフィットが「落ち着けること」、「快適な時間を過ごせること」などと考えられる。もちろん、どこまでが中心でどこからが周辺かは一意に決まるものではないし、人によって感じるベネフィットは違う。それでも、こうやって整理するとわかり易いのは間違いない。
 
商品コンセプトを案出するとき、中心ベネフィットを先行して考えるのは当然だ。中心ベネフィットを充たしていない商品では、競争に勝てる訳がない。しかし、市場が成熟してしまうと、消費者の関心は中心から周辺に移っていく。中心ベネフィットは充たしていて当たり前なので、競争軸で移行するのだ。
 
今の時代、一定の品質のコーヒ豆を使えば、数千円で買えるコーヒーメーカーでもそれなりの味のコーヒーを淹れることができる。そんな時代に、中途半端にコーヒーのクオリティを競っても仕方ないだろう。昔ながらの喫茶店のように、「快適さ」を競争軸にした方が妥当だと考えられる。
 


匂いのコントロールが大切!


さて、「快適さ」だけでは有り体なので、ひとつポイントを指摘しよう。それは、匂いのコントロールだ。
 
パン、コーヒ、焼鳥、うなぎなど、その匂いが購買欲を刺激する食品がある。これらを売りたいのなら、店内そして店外に匂いをうまく拡散することが重要だ。排気ダクトの向きひとつで、売上が変わることもある。
 
そして、匂いには相性がある。
パンとコーヒーの匂いが混じっても悪い気はしないが、コーヒーとうなぎの匂いが混じったらどうだろう。どちらも大好物であったとしても、食欲・購買欲は失せてしまい、売上向上につながらないことは容易に想像できる。
 
ハンバーガーショップとコンビニではこの不安が大きい。
前者のフライドポテトの匂いはまだしも、後者のおでんの匂いはかなり強烈にコーヒーと相性が悪いからだ。あの「おでん臭」を嗅いだら、たとえ持ち帰りだとしても、コーヒーを買いたいという欲求は減退してしまうだろう。
 
「本格的なコーヒー」を目指すよりも、こちらを改善した方が効果があると思うのだが、いかがだろうか。

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