Googleのバイアスがトンデモ商品を生み出す!?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1927文字)


今や、生きるためにGoogleは欠かせない。
仕事においても、生活においても、Googleに代表される検索エンジンがなかったらかなりの苦痛を強いられるだろう。現代人は、何かというとパソコンやスマートフォンを使って検索をはじめる。その対象は、企業のホームページや個人のブログ、画像やニュースや地図や乗換経路、他人のつぶやきやいいね!までさまざまだ。Googleでは、1日に数十億を超える検索が行なわれているらしい。
 
しかし、検索には大きな欠点がある。
それは、検索結果に含まれるバイアス(傾向、偏り)だ。検索する人の多くがこれを意識していないが、このバイアスの悪影響はかなり広範囲に及んでいる。
 

photo credit : Stuck in Customs via photopin cc

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「何を検索するか」がバイアスになる


この話をすると、グーグルとヤフーの検索結果の違いとか、広告やアフィリエイトの影響とか、果てはどこかの機関からの圧力(?)とかを言い出す人がいる。もちろん、このような歪みは見逃せないが、実は比較的軽微で案外どうでもいい。これらとは別の、もっと結果を歪ませる根本的な要因があるからだ。
 
その要因が何かと言えば、「何を検索するか」によるバイアスだ。
当たり前過ぎて気付きにくいが、「何を検索するか」によって検索結果は大きく変化する。言い換えれば、検索ワードの選び方によってバイアスが発生する。検索ワードをほとんど無意識に選んでいるせいか、このことは見落とされがちだ。しかし、なんとなく入力したキーワードが検索結果を支配しているのは間違いない。
 
この結果、同じようなことを調べた筈のAさんとBさんが、まったく違った検索結果を得ることもしばしば起きる。検索結果がインターネットの或る一面を切り出しているのは間違いないが、切り方が違えば見える一面も変わってくるのだ。
 


検索が「都合良い」を助長する


例えば、消費増税について、世の中にある意見を検索したとしよう。
このとき「消費増税 賛成」、「消費増税 反対」などと検索すれば、意見が偏るのは誰でも想像できる。このような検索結果をニュートラルなものと捉える人はごく少数にとどまるだろう。
 
では、「消費増税 影響」だったらどうか。
「影響」自体にはプレスとマイナスの両方があるため偏りのない検索のようだが、反対意見が多く集まると推測される。なぜなら、消費増税の文脈では「影響」という言葉がプラスのニュアンスで使われることは少ないからだ。一方で、「消費増税 効果」としたら賛成意見が多くなるだろう。そして問題は、「影響」や「効果」を加えた検索結果がニュートラルなものだと思われるところにある。
 
消費増税について否定的に考えていれば、選ぶ言葉も自然とマイナスのニュアンスを持ったものになり、それが検索結果に現れる。つまり、インターネットでたくさんの人々についてニュートラルに情報収集したつもりが、そうではなくなってしまう。
 
更に言えば、人には自分に「都合良い」ものばかりを見たがる傾向がある。このため検索結果が疑われることは少なく、検索が「都合良い」への偏りを助長することになるのだ。
 


データの収集方法が持つ偏りに要注意!


ビジネスの場においても、自分に「都合良い」偏りが悪い影響を生み出す。
 
例えば、新商品への評価を集めるときにもバイアスが生じるのだ。
以前でも、「家族や友達に聞いたら・・・」とか、「飲み屋で話しをしたら・・・」はあったが、これらはまだ可愛い。少しまともに考えれば、怪しいことが想像できるからだ。これが最近では、「ネットで調べたところ」とか、「自分のタイムラインでは」とかに変わってくる。すると、インターネットの技術を使うことで、何となくそれらしく見えてしまう。ただの強弁に過ぎないが、このバイアスは気づきにくいので、「無理が通れば道理が引っ込む」ことになり兼ねない。これが高じると、トンデモ商品が発売されることになる。
 
データを集めるときには、その収集方法が持つ偏りを常に意識し、それらをできる限り除外する必要がある。このような統計的な視点での加工をしたものが「事実」だ。ありのままの調査結果が「事実」なわけではない。データや情報が反乱する今の時代だからこそ、この部分の取り違えにはくれぐれも注意を促したい。

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