ビスコ注文殺到! ひと手間演出に商機あり?


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1314文字)


スマイルビスコをご存知だろうか。
 
ビスコ発売80周年を記念した江崎グリコの企画で、このサービスを使えばオリジナルパッケージのビスコをつくることができる。ビスコ坊やの写真を差し替え、商品名の代わりにする言葉を決めて、スタンプを選べば完成だ。例えば、こんな感じになる。何なら、営業グッズにしてもいい。
 

スマイルビスコ

 
これが売れているらしい。
「予想を大幅に超える注文が寄せられ、約3カ月待ちの状況にある」というのだ。20個入りで2,460円(送料別)の値ごろ感もあってか、軽い気持ちでつくってみる人も多いのだろう(参考:江崎グリコ、オリジナルパッケージが人気-ビスコに注文殺到|日刊工業新聞)。
 
このオリジナルパッケージ、決して難しいものではない。
もちろん他社でも応用可能だ。
 


下がるオリジナル商品のコスト、変わらぬ価値


ものづくりのデジタル化が進み、オリジナル商品の製造が容易になった。
オリジナル商品のコストが下がったと言い換えてもいい。自社サイトに写真をアップロードできるページをつくり、それを使ってラベル等をつくるだけならそんなに難しいことではない。同じページで送り先の住所を登録してもらえば、宛名ラベルをつくって商品を発送することも難なくできる。
 
多くを手作業でやろうとするとミスが発生しやすいが、どのくらいまでシステム化するかは商品の性質、見込まれる売上規模次第だ。まずは試しに簡単な方法でやってみて、希望者が増えてから本格的な投資をしてもいい。
 
その一方で、オリジナル商品の価値は変わっていない。
デジタル化で簡単につくれるようになったとしても、オリジナルのパワーは絶大なのだ。自分なり相手なりにカスタマイズされた商品を手にすれば、人はそこに独自性を感じて嬉しくなる。オリジナルなモノを見て「今どきの技術なら簡単にできる」と考えるのは余程の変わり者だろう。
 
そして、このコストと価値のアンバランスがあるからこそ、今回紹介したような商品に商機が生まれることになる。
 


ポイントはひと手間の演出?


さて、オリジナル商品の嬉しさは、どこから生まれるのだろうか。

それは、ひと手間かけたことへの敬意だと思われる。
ちょっとした画像の加工であったり、いくつかの言葉を考えたりするだけでも、手間を掛けたことに変わりはない。お金や時間ではなく、その気持ちを喜んでいると考えられるのだ。
 
マーケティングで大切なのは存在と認識をわけて考えることだ。
「良い商品」というものは存在しない。誰かが認識することで、はじめて「良い商品」になる。ポジショニングは人の心の中にある認識の問題であって、どんな商品として存在しているかはあまり関係がない。そして、オリジナル商品はこの認識の文脈で価値が高い。少しぐらい写真の出来が悪くても、メッセージが有り体でも、ひと手間かけた価値がそれらを帳消しにしてしまうのだ。
 
オリジナル商品をつくり得る企業ならば、これにトライしてみる価値はあるだろう。お客さまのひと手間が無限の価値を生むかも知れないのだ。

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