複雑怪奇な新宿駅が生産性を下げる?


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新宿駅は難しい。
何本ものJR、私鉄、地下鉄が乗り入れていて、訳のわからない状態になっている。もはや、どこからどこまでが新宿駅なのかさえはっきりしない。JRの出口は、南側だけでも南口、東南口、新南口、サザンテラス口と4つある。
 
果ては新宿西口駅だ。
新宿という街自体に西口はなく、この駅名は駅が新宿駅西口にあることをあらわしている。新宿駅西口駅とするのが正しいが、それでは何のことやらわからないので、この駅名になったのだろう。新宿西口駅の存在が、新宿駅の混乱を象徴しているように思う。
 
新宿駅は、使い慣れている人間でも、日ごろ利用しない路線に乗り換えるとなると一苦労だ。ほとんど複雑怪奇な要塞と化していて、立体なので構内図を見てもよくわからない。仕方なしに、大体の方向を目指して歩いて行くと、そこには通路がなかったりする。長く東京で生活している人間でもこうなのだから、不慣れな人は大変だろう。
 
駅で迷えば、余計な時間が掛かるし、ストレスを感じる。迷ったらいけないと考えて、事前に地図を確認したり、少し早めに外出したりすれば、それはそれで時間のロスだ。新宿駅は、電鉄各社をはじめとした各企業が個別の利益を追求するために、無計画かつ無制限に拡張している。そして、これが利用者の仕事の効率を下げているのだ。
 
新宿駅の利用者数を考えると、この影響は計り知れない。多くの企業や人間に関係するインフラが非効率になれば、誰もが少しずつ損をする。普段、それらは「あの駅は不便だな」等の文句を言われるだけだが、大きな視野で捉えると違った結論が導き出される。そう。もしかすると、複雑怪奇な新宿駅が日本の生産性を下げているかも知れないのだ。
 

photo credit : pictureTYO via photopin cc

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エクセルの改良がホワイトカラーの生産性を下げる!?


インフラ的なものが生産性を下げているパターンは他にも考えられる。デファクトスタンダードとなっているソフトウエアの改良などはその最たる例だろう。
 
例えばエクセル。
バージョンアップのたびに、初心者でも使いやすくなるような改良が行なわれているが、ハードユーザーの評判は必ずしも好ましくない。初心者が使いやすいような工夫の多くは、過剰な丁寧さとなり、アプリケーションの操作性を改悪する。これで、ハードユーザーの作業が遅くなれば、ホワイトカラーの生産性に悪影響が及ぶことになる。
 
エクセルをこれまで使えなかった人の生産性向上も考慮する必要があるとは言え、エクセルの改良がホワイトカラーの生産性を下げているという印象は強い。
 


サービスの質が売上に比例しない世界


駅などのインフラも、ソフトウエア等のデファクトスタンダードも、利用者が不便をしても売上に影響が出にくい分野だ。利用者は、いろいろ文句を言っても、使わざるを得ない。他の分野でこんな使いにくいサービスを提供したら、すぐにシェアを奪われてしまうだろう。多くの人の生産性に影響をあたえるような使いにくさは、サービスの質が売上に比例しない世界だけに残る。
 
残念ながら、これらは使わざるを得ないので、利用者が個人でこれに対抗する方法はない。集団で不買運動ということにもならないだろう。愚痴を言いつつ、使い続けるしかない訳だ。悲しい現実がここにある。
 


そこに商機が・・・


視点を変えれば、世の中には積極的に選ばれていない商品がたくさん存在しているということだ。利用者が、仕方なしに使っているものがたくさんある。既存商品への不平、不満は、ある種の商機だ。
 
先行している商品の欠点、欠陥を補うアプローチにはチャンスがある。いやいや使っている商品を探して、その部分を補うのだ。言われてみれば当たり前のやり方だが、こういうアプローチは意外に取られない。競合商品への不平、不満を顧客アンケートで定量化し、それを補完する商品を開発するアプローチは有望だ。
 
もちろん、新宿駅の代替品はつくれないが、身の回りの細かな商品にもいろいろチャンスはある。少しこのアプローチで考えてみてはどうだろうか。

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