読めない名前じゃ伝わらない!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1644文字)


人はモノの名前を知ると安心する。
バズワードまがいのビジネスの新概念でも名前を聞くとわかった気になるし、新商品のイメージも名前を知る前と後では大違いだ。一方、会議などで相手の顔と名前が一致していないと不安になるし、名前さえ知らないモノについて説明するのは難しい。程度の差こそあれ、誰でも似たようなことはあるだろう。概念でも、商品でも、人物でも、名前を知ることの効果・効用は大きい。
 
文字の並びがわかっていても読めない、読み方に自信が持てない名前は、隔靴掻痒の感がある。知っているといえば知っているのだが、何だか手応えがない感じがする。最近、GIFの読み方は「ギフ」ではなく「ジフ」が正しいというニュースがあったが、これなど最たる例と言えるだろう(参考:「GIFファイル」の正しい読み方は? 論争に終止符か|CNN.co.jp)。日ごろから目にしている拡張子なのに、読み方がはっきりしないせいで“気持ちが悪い”状態が続いていたのだ。少し大袈裟だが、名前が決まった(?)だけで何かすっきりしたように思えてくる。
 
名前の読みは難しい。Linuxが「リナックス」なのか「ライナックス」なのかは未だによくわからないし、ASUSはつい先日「エイスース」に決まるまでは「アサス」、「エイサス」、「アスース」などとさまざまに呼ばれていた。
 
インターネットで目にしていても口には出さない言葉が多くなることで、読めない名前が増えている印象がある。そして、名前が読めないことの弊害は大きい。“気持ちが悪い”だけでなく、口コミで伝わりにくいと考えられるからだ。
 

photo credit : aquopshilton via photopin cc

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お店の名前は「タベルナなんとか」


名前が読めないパターンが多いのは、外国料理の店だ。
英語ならまだしも、フランス語、イタリア語、スペイン語となると、すぐには読めない、覚えられない名前が多い。特に、「タベルナ ◯◯」とか、「リストランテ △△」とか、「オステリア ××」とかの長い名前などは始末におえない。
 
「近所においしいイタリアンができたらしいね。なんていう店?」
「タベルナなんとかって言ったなぁ」
「で、本当においしい?」
「ああ、かなりオススメ。混んでるから予約した方が確実だよ」
「店の名前がわからなきゃ、調べようがないじゃないか!」
では、口コミの効果も半減だろう。そのうち、「近所のタベルナ」で通じるようになるかも知れないが、タベルナでは「居酒屋、軽食堂」くらいの意味しかなく、ブランドになり得ない。
 
人は、モノを覚えるとき、頭の中でポジショニングを行なう。このとき、覚えるためのキーとなる何かが必要だ。漠然としたモノは覚えにくく、そのとき名前があるとないでは大違いとなる。もちろん、名物料理等で覚えてもらえるならそれはそれで好ましいが、それでも肝腎の店名がわからないのでは口コミ効果が弱いなるのは想像に難くないだろう。
 


お客目線で命名を!


モノに名前をつけるとき、ついつい思い入れが強くなるのは当然だ。
みずからコンセプトづくりを行ない、そのお店や商品に持っていれば、気取ったネーミングをしたくなるのが人情だろう。
 
しかし、ビジネスに関連して名前を付けるのなら、常に中心にお客を置かなくてはならない。いくら自分の思い入れが強い言葉でも、格好いいと思う名前でも、それをお客が受け入れてくれないことには命名は失敗となる。
 
そう。店名は店のものではなく、お客のためのものだ。
お客目線での命名が必要になる。ここを勘違いしないことが重要だ。そして、くれぐれも読めない名前を付けないことが大切だろう。

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