冷えてないお茶、はじめました!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1660文字)


コンビニで冷えてないお茶を売っているというニュースがあった。
「常温飲料を買いたいという消費者が4割」というアンケート結果を参考にテスト販売。その好調な結果を受けて、取り扱い店舗を増やしたようだ。これが大きく成功したら、アンケートで潜在需要を浮かび上がらせた好事例となるだろう。
 
この事例は、誰かが「お客は冷えてないお茶を欲しがっている」と考えたから生まれた。
その仮説をアンケートとテスト販売で検証したのは間違いないが、その着想自体はアンケートやデータから導き出されたものではないだろう。要は思いつきだ。この思いつきがなければ、いくらアンケートを行なっても冷えてないお茶の潜在需要を見つけることはできない。そもそもの質問の選択肢が、「冷たいお茶」、「少し冷たいお茶」、「少し温かいお茶」、「温かいお茶」だったら、常温で飲みたいという需要は見出だせなかったことになる。
 
アンケートをつくるとき、質問に対してどのような選択肢を用意するかで調査結果はリッチにもプアにもなる。このとき、対象者がどんな回答をするのか想像して、選択肢を考え出すことは、小さな仮説づくりと言えるだろう。調査する側がどのような仮説を考えられるかで、調査結果の価値はまったく変わってしまうのだ。
 
では、どうやれば有効な選択肢を考え出せるようになるのだろうか。
 

photo credit : tomi_ta via photopin cc

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選択肢づくりには人間観察がいい

アンケートで役に立つ選択肢、おもしろい選択肢がつくれるかどうかはセンスの問題だ。こう結論づけてしまっては元も子もないが、頭のかたい人はいくら考えてもあたり前の選択肢しかつくれない。そして、あたり前の選択肢から新たな知見を導き出すのはかなり難しい。そうなると、思わず「だからどうした!」と言いたくなるようなレポートが完成することになるのは必至だ。
 
残念ながら、こうやれば有効な選択肢をつくれるというスキルはない。
あえて言うなら、日ごろからいろんな人間を観察しておくといいだろう。自分とは違う人を想像することができるようになれば、おのずとたくさんの選択肢が思いつくようになってくる。言い換えれば、自分や自分の周りの人を中心に考えて、「人は誰でも冷たいお茶が欲しい筈だ」、「パソコンは処理速度で選ぶべき」などと決め付ける人は良い選択肢をつくれない。この頭のやわらかさが必要になる。
 
世の中は自分と違う考え方をする人だらけだが、それらの人の存在を認めたがらない人は多いし、それらの人が実際にどのように行動するかを想像するのは難しい。アンケートは、いろいろな人がいることを認めた上でそれを定量化する手段なのに、充分な想像力が働かないと選択肢をつくる段階で回答の範囲をせばめることになってしまう。これを防ぐのが、日ごろの人間観察という訳だ。
 


常識を疑おう!

観察の視点としては、常識を疑うことが大切になる。
特に、会社や業界の常識を取り除かなければならない。これらの常識を振りかざしたまま人間の行動を観察をしても、「たまたまだよ」、「あの人は特別だから」で終わってしまうからだ。少しでも先入観を取り除いて観察するようにしないと、なかなか結果には結びつかない。
 
今回の事例は「飲み物は冷たい方がいい」という常識を疑った結果とも言える。
商品には、あたり前のように思われている常識、先入観、価値観がたくさん含まれているので、これらをひとつずつ書き出して端から順に疑ってみるのも悪くないだろう。
 
アンケートで新たな知見を導き出したいなら、常識は敵でしかない。
この罠にはまらないためには、日々いろいろな人を想像する習慣を身に付けつけることが必要だ。

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