最後のMOドライブがまた発売に!?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1815文字)


今月末、ロジテックからMOドライブが新発売になる。
何かの間違いではない。1990年代にはよく利用されていたものの、今ではすっかり姿を消したあのMOだ。なぜ今になって新発売されるかと言えば、「ご要望にお答えして」ということらしい。2011年末に発売された「最後のMOドライブ」が販売終了になり、困ったMOユーザーが泣き付いたのだろう。お客の要望に答えるのは素晴らしいことだが、「最後のMOドライブがまた発売」からはかなり間抜けな印象を受ける(参考:ロジテックからまた「最後のMOドライブ」、USB2.0接続でWindows8 / Macも対応|Engadget Japanese)。
 
さて、この話。まだMOドライブを必要としている個人や企業がいることにびっくりするしかない。遠からず消え去ることがほぼ確実なメディアに、データを保存し続けるなど狂気の沙汰だ。現時点で、必要なデータを多少なりともMOに保存している個人や企業は、データの管理ができていないとしか言いようがないだろう。
 
個人ならまだしも、企業は論外だ。
この「最後のMOドライブ」を買うような企業のデータ管理には、大きな問題があると考えられる。
 

photo credit : purplemattfish via photopin cc

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ドライブの乗り換えが進まない真の理由は?


メディアに保存された電子データには寿命がある。
そのメディアに対応するドライブが無くなってしまったら活用できなくなるからだ。このことがわかっているのなら、そのドライブが消え去る前に、必要なデータを別のメディアに移行させるのは当然のこととなる。これをしなくては、メディアの消滅とともにデータが使えなくなってしまう。
 
こういうことを言うと、「保存されているデータの量の多さがわかっていない」とか、「必要なデータを見付けるだけでも大変だ」とか、果ては「予備のドライブをいくつも買ってあるので問題ない」とかの反論が出てくる。それはその通りなのだが、まさにこの言い訳こそがその企業の問題をあらわしている。
 
そう。
ドライブの乗り換えが進まない真の理由はデータの量の多さではない。それは、日ごろから必要なデータを弁別できない管理能力であり、何でも先延ばしにする組織体質にあるのだ。だからこそ、そういう企業は「データの管理ができてない」と言い切れる。
 


データにも棚卸しが必要


データ管理は、何から何までデータを保存しておけば充分と考えている人がいる。しかし、これはデータ蓄積であってデータ管理ではない。保存しておいても管理できていなければ、肝腎なときに役立たないのだ。取りあえず保存すればいいと考える人は、目的と手段の関係がわかっていないのだろう。データは再利用するという目的のために保存する。保存は、このための手段であって目的ではない。
 
再利用が目的であることがわかれば、必要になるのはデータの棚卸しだ。
具体的には、データごとに管理責任者を決めて、そのデータが必要なのか否かを定期的に見直すことになる。メディアの消滅についても、そのタイミングで見直せばいい。もちろん、データの削除日を事前に決めておく方法もある。案件単位で、一般データは作業終了日の3年後、重要データは5年後などと決めるのだ。
 
しかし、これを企業でやってもなかなかうまく行かない。
理由は簡単で、捨てたデータが後から必要になれば責められるが、データを積極的に捨てても誰も褒めてくれないからだ。この非対称性がデータ管理の邪魔になる。誰もが、少しでも多くのデータを残そうとするのなら、この見直しはほとんど実効性のないものになってしまう。保存可能なデータ量に制約をつけたり、データ削減に何らかのインセンティブを与えたりしないと、この作業は進まない。
 
大変な作業だが、これをしなければ訳のわからないデータが溜まるばかりだ。
そこから直接的な損失は出ないが、データの再利用を難しくすることになる。「何でも残す」はデータ管理ではない。これを肝に銘じて、データの棚卸しに取り組んで貰いたいものだ。

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