ヤマダ電機で3Dプリンターは売れるのか?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1952文字)

【金槌の法則】
 クリスマスプレゼントに金槌をもらった子どもは、何でも叩きたがる

 
これは『コンサルタントの秘密』(ジェラルド・M・ワインバーグ/共立出版)に出てくる格言だ。新しい金槌を手に入れた子どもは、目の前にあるものを端から順に叩いて喜ぶ。叩いていいものと、叩いてはいけないものの区別はつかない。ワインバーグは「ビジネスでもこれと同じことをしていませんか?」と問いかけている。
 
例えば、クラウド技術がいくら優れたツールだとしても、ものには向き不向きがある。何でもかんでもクラウド活用で解決しようとするのでは、金槌をもらった子どもと変わらないだろう。ビジネス手法とて同じこと。海外進出だって、向く会社と向かない会社がある。ビッグデータが有望だからといって何にでもビッグデータではバカの一つ覚えになってしまう。「最新技術を応用」と言えば聞こえはいいが、はやりものを無理矢理くっつけたような問題解決のアプローチも散見される。
 
世の中には、良いものがたくさんある。
そして、良いもの同士をうまくフィットするように組み合わせられれば相乗効果が期待できる。しかし、その一方で、それぞれが良いものでも組み合わせが悪ければとんでもないものができ上がってしまう。このことを深く理解せずに、良いものを手当たり次第に組み合わせて失敗する例があまりに多い。ビジネスで重要なのはフィットする組み合わせを見つけ出すことなのに、肝腎のフィットの部分について判断停止で先に進む企業が後を絶たないのだ。
 

Photo credit : Brandon Christopher Warren / Foter / CC BY-NC Photo credit : Brandon Christopher Warren / Foter / CC BY-NC

 


良いものと良いものを組み合わせても・・・


最近、「あれっ?」と思ったのがヤマダ電機による3Dプリンター販売だ。
片や売上高1兆7000億円(平成25年3月期)を誇る家電量販の最大手、片や「遠からず製造業を根本から変えてしまう」とまで言われる新製品。どちらも良いものには違いないが、ヤマダ電機の客層と3Dプリンターの購入層が結びつかない。ヤマダ電機と大型冷蔵庫の新製品の組み合わせなら理解できる。秋葉原のPCパーツショップで3Dプリンターが発売されたと聞いても驚かないだろう。でも、ヤマダ電機と3Dプリンターの組み合わせはフィットしないように思えてならない。本当に勝算はあるのだろうか。
 
もちろん、ヤマダ電機の客層に対する理解が足りない可能性はあるし、現状と違った客層を取り込むことがヤマダ電機の狙いなのかも知れない。しかしそれでも、このような「フィットしてない」という違和感を見逃さないことは重要と言える。
 
マクドナルドとトリュフ風味、Windowsパソコンとタッチパネル、・・・。それぞれは良いものであっても、フィットしないがために苦戦を強いられているものは数限りないように見受けられるからだ。
 


組み合わせ探しこそがビジネスチャンス


ビジネスで成功したいなら、良い要素をつくり出すこと、見つけ出すことは欠かせない。
しかし、いくら良いものだからといって何にでも当てはめればいいというものではない。これとこれは合うけど、これとあれは合わないとなることがほとんどだ。
 
良いものを集めたらその組み合わせをとことんまで考える必要がある。組み合わせ探しこそがビジネスチャンスなのだ。しかし、ここを手抜いて、おかしな商品が出てしまう。キーワードはフィット。良いものと良いものがフィットしているか、厳しい目で評価しなくてはならない。
 


フィットしているかチェックしよう!


人間は自分が思いついたアイデアを高く評価したがる。
その結果、周りが見えなくなり、そのアイデアに肯定的な情報のみを受け入れるようになってしまう。この状態で、自分のアイデアを評価すれば心理的にはハッピーだが、後から経済的に恐ろしい事態を招くことになり兼ねない。
 
やはり重要なのは、冷静沈着な眼差しで良いもの同士がフィットしているかをチェックすることだ。そして、そのためには自らのアイデアにツッコミを入れることが重要になる。技術面、マーケティング面、顧客面などで、駄目になる可能性を考え出して、いろいろ自己指摘することがフィットのチェックになるのだ。良いか悪いかを考えるのではなく、あえて悪いところあら探しすることが大切になる。
 
言うは易く行うは難しの典型のように思われるかも知れないが、実はこれは難しくない。要は気の持ちようの問題だからだ。この記事を読んで少しでも心動かされるものがあるなら、ぜひ試してみることをオススメする。

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