ファイルの属性情報がトラブルを起こす!?


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間もなく新しいiPhoneが発表される。
米アップル社は、既に9月10日午前10時(日本時間11日午前2時)からはじまるイベントの招待状を送っており、ここで新iPhoneが発表されるのはほぼ間違いない。一昨年、昨年に続く秋の発表は、もはや恒例行事とも言えるだろう。
 
新iPhone発表と言えば「NTTドコモからiPhone発売へ」の記事も恒例だ。今年はいくつもの報道機関でニュースになっており、「今度こそ本当では」という期待が高まっている。この報道に対して、NTTドコモは以下のような適時開示情報を発表した。

本日の一部報道について

 本日、一部報道機関において、当社がアップル社の「iPhone」を発売する旨の報道がありましたが、 当社が発表したものではございません。
 また、現時点において、開示すべき決定した事実はございません。

現時点で発表できることがない場合の定型文書のようなもので、ここからiPhone発売の真偽は推測できない。
 
しかし、この通り一遍の情報が一部で話題になっている。適時開示情報として発表されたPDFファイルの属性情報がおかしいというのだ。日本経済新聞などに記事が掲載されたのは9月6日、ファイルの作成日は9月5日22時57分。準備が良過ぎるという指摘はわからないでもない。真相は取材などを通じて記事掲載を事前把握しただけだろうが、あらぬ疑いを掛けられという意味でこの発表はいささか失敗だったと言えよう(参考:ドコモiPhoneリリースを否定するそのPDFは報道発表前に作られた物? 前日作成の日付と『WWWDC 2012』の日付も|ガジェット通信)。
 
属性情報によるトラブルは決して他人事でない。取引先などに送るファイルの属性情報が、思わぬトラブルを引き起こすことがあるのだ。ファイルに残っているさまざまな足跡が問題に成り得る。ファイルの属性情報は案外危険なものだと考えた方がいいだろう。
 

Photo credit : Sanctu / Foter / CC BY-NC-SA Photo credit : Sanctu / Foter / CC BY-NC-SA

 


作成者情報から下請け先が漏れる?


ファイルに含まれる情報は自分でつくったドキュメントのみではない。あまり気に留めない人が多いが、そのファイルをつくる過程についての属性情報が含まれている。作成日時や更新日時の情報があるのはご存知だろうが、それだけではない。作成者、会社、改定番号、総編集時間などの情報も入っているのだ。
 
これらがトラブルを引き起こす原因になる。
例えば、下請け先の企業が作成者情報からわかってしまうとか、お詫び文書の作成日時が何年も前で上書きしていることがバレてしまうとかだ。また、ウェブ上でフリーに公開されている請求書フォーマットをそのまま使って、気まずい思いをしたという話もある。請求書の作成者情報が他社やおかしなハンドルネームになっていたのでは格好が付かない。これらが原因で直接的にトラブルが起きることは稀かも知れないが、不信を抱かれる可能性は大いにある。
 
取引先にファイルを提出するなら、ファイルの属性情報をあらかじめ確認した方がいい。
 


属性情報の変更・削除は簡単


さて、属性情報の変更はMicrosoftのWord、Excel、PowerPointなら簡単だ。いずれもファイルメニューから詳細プロパティを表示させればいいばいい。ここで、作成者や会社名を変更できる。
 
属性情報を徹底的に消し去りたいなら、OS上でファイルのプロパティを呼び出すことになる。詳細メニューから「プロパティや個人情報の削除」を選べば、全部削除も一部削除も自由に可能だ。
 
以上は、Windows7とMicrosoft Office 2010でのやり方だが、他のOSやアプリケーションでも同様の機能はある筈だ。まずは確かめてみるといいだろう。
 


転ばぬ先の杖を!


こういう話をすると、「心配し過ぎでは」という反応が返ってくる。しかし、そんなことはない。この類のリスク回避に「やり過ぎ」ということはないのだ。かける手間とトラブルが起きた場合の代償を比較すれば、やって損はない。転ばぬ先の杖が重要なのだ。
 
取引先に印刷した書類を提出するときは、どこの企業でもファイリングしたり、封筒を用意したりするだろう。そのとき、正しい作成日や会社名を書くのは当然だ。電子ファイルによる提出だからといって、何もこの部分を手抜きしていいという訳ではない。印刷書類を提出するときと同じ心構えで、ファイルの属性情報を確認すると良いだろう。
 
最近のビジネスは、どこに落とし穴があるかわからない。余計なトラブルを招かないためにも、属性情報の確認をオススメする。

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