人口構成を定期的にチェックしよう!


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今や日本人の4人に1人が高齢者だという。16日の「敬老の日」を前に総務省が発表したデータによりあきらかになった。高齢者の増加に驚きはないし、その構成比が今年ほぼ4分の1になるのも事前の予測通りだが、こうやってニュースになると改めて刺激を受ける(参照:日本人の4人に1人が高齢者に|NHKニュース)。
 
人口の予測は当たりやすい。大胆な移民の受け入れでもしない限り急に0歳以外の人口が増えることはないし、伝染病の大流行でも起きない限り各年齢の1年あたりの死亡率は大きく動かないからだ。出生数の予測はこれらと較べて不確実性が高いものの、子供をつくる年齢層の人口が予測可能なので大きなズレは生じない。
 
このため、人口に関するニュースは予想できる。上でも書いた通り、今年(2013年)の「4人に1人が高齢者」は予想の範囲内だ。このまま行けば、2024年には高齢者の人口が全体の3割を超えるし、来年(2014年)には出生数が100万人を割る。後者は、大台を割ったという印象が強いため特に大騒ぎをするだろう。
 
さて、人口関連のニュースは、何らかのデータが区切りの良い数値を超えたり、割ったりしたときに取り上げられる。しかし、当然ながら、問題はある特定の値を突破したことではない。ニュースの背景にある人口構成の大きな変化の流れこそが重要なのだ。人口構成の変化はビジネスの至る部分に影響する。ビジネスに携わるなら、人口構成の変化を見逃してはならない。
 

Photo credit : JD Hancock / Foter / CC BY Photo credit : JD Hancock / Foter / CC BY

 


少子高齢化の現実を知ろう!

人口構成の変化、すなわち少子高齢化に対して策を講ずる必要があるのは当然としても、個人や企業ができることには限りがある。企業の場合、これらの対策に協力することも社会的責任のひとつと考えられるが、それで何らかの問題が直接的に解決するわけではないだろう。このとき、対策は対策として切り出して、それとは別に少子高齢化の現実を直視することが役に立つ。
 
なぜこんなことを書くかといえば、人は「自分が若いころの常識がそのまま続いている」と考えがちだからだ。世の中が変わってきていることは知っていても、既に身に付けた常識を葬り去るのは容易ではない。人口問題で言えば、いまだに「若者はたくさんいる」という前提で考える人が多い。人口構成がピラミッド形をしてないことはわかっていても、その意味するところが実感できていないのだ。若者が昔ほど多くないことは何となくわかっていても、実際にどのくらいの人数かを把握していない。それでは、ビジネスの切っ先が鈍ってしまうだろう。
 
ビジネスを進めるとき、まず入念な現状把握が必要となる。このとき、人口は最も基礎をなすデータだ。当たり前のデータ過ぎてわかったつもりになっている人も多いが、そのほとんどは現状を正確に把握していない。スタート地点に間違いがあれば、導かれる結論が狂ってしまうのは当然だ。人口データの予測はほとんど当たるのだから、将来予測も含めて大体の構成を確認することが有効となる。
 
将来の人口構成予測は、国立社会保障・人口問題研究所のホームページにある。いろいろなデータが提供されているが、まずは出生中位&死亡中位推計の「表1-1  総人口,年齢3区分(0~14歳,15~64歳,65歳以上)別人口および年齢構造係数」を見ればいいだろう。これ一つを確認するだけでも、得られるものは大きい。
 


人口変化の影響に思いを馳せると・・・

将来の人口構成を確認したら、それが社会や自分のビジネスにどのような影響を与えるか思いを馳せるといい。漠然と考えるのは難しいが、具体的なお店やビジネススタイルを思い浮かべれば、いろいろな連想が働いてくる。人口の少子高齢化を前提にすれば、投資の回収期間を短くする必要が生じるかも知れないし、新しい労働力の手配を考えなくてはならないかも知れない。そのときどきの経営課題に人口変化を絡めて考えるだけでも、何らかの気づきを得られるように思う。
 
人口変化の問題を常に意識するのは難しい。
しかし、幸い日本では「成人の日」「こどもの日」「敬老の日」に人口問題を報道する習慣がある。ほぼ4か月おきだ。これらの日のニュースをきっかけにして、定期的にしっかりした人口データを確認する習慣を身に付けたらどうだろうか。思いがけない気づきがあるかも知れない。

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