「電子メールが届かない」のは誰のせい?


この記事の所要時間: 330秒 〜 430秒程度(1965文字)


仕事をしていると、「メールが届かない」トラブルはしばしば起きる。連絡したはずのことが伝わってなく、余計な行き違いが生じたり、無駄な手間が掛かったりする場合も多い。メールに付きもののトラブルとは言え、人のやる気を萎えさせるには充分。「メールが届かない」は、かなり困った問題だ。
 
このトラブルには、「犯人探しをしたくなる」という更に困った側面がある。「送信側が宛先を間違えたのでは」とか、「迷惑メールフォルダにまぎれたのを見落としているのかも」とか、「受信側が受け取ってないフリをしてたりして」とか。口にこそ出さないものの、ついつい相手を疑ってしまうことがあるのだ。そういうときはお互い様のようで、相手の言動からも不信感を読み取れることが少なくない。メール自体が届かないことも問題だが、たかがメールを受け取った/受け取ってないで不信感が生まれてしまうなら、そちらの方が大きな問題だろう。一緒に作業をする上で、この類の不信感はかなり厄介だ。このような事態は避けなければならない。
 
電子メールはコンピュータとサーバーが配達する。人間が運ぶのと違ってミスは起こりにくそうだが、実際には不着となることもなくはない。メールが届かないことを誰かのせいにするのではなく、「メールは届かないこともある」と割り切って使うのが賢明だ。
 

Photo credit : Svenstorm / Foter / CC BY-ND Photo credit : Svenstorm / Foter / CC BY-ND

 


受信側サーバーが受け付けないこともある


この不信感を減らすために有効なのが、メールが届かない原因を知ることだ。メールの仕組みをわかっていないと、相手のミスを疑いやすくなる。メールシステムのミスよりも、人間の行動のミスの方が想像しやすいため、何となく相手を疑ってしまうのだ。
 
簡略化すれば、メールは以下の4段階を経て送信される。

①送信者のメールソフトやWEBメールシステム

②送信側のメールサーバー

③受信側のメールサーバー

④受信者のメールソフトやWEBメールシステム

宛先の間違いや送り損ないは①を、メールの見逃しや迷惑メールフォルダの確認不足は④を疑っている。それも、ソフトやシステムではなく、作業を行なった人間を疑う場合がほとんどだ。他に疑いようがないからだろう。そして、これが不信を招く。
 
メールが届かない理由で見逃されがちなのが、② → ③の部分だ。受信側サーバーがメールの受け取りを拒否するパターンがあることを知らない人は多い。受信側サーバーが受け取ったメールをスパム判定することは知っていても、「そもそも受け取らない」メールがあることを知らないのだ。送信側サーバーの信頼が低かったり、同じ送信側サーバーから大量のスパムメールが送られていたりすると、メール自体を受け取らないことがある。そして、この場合、受信側は当然のこと送信側にもエラーメッセージが届かないらしい。こういうことが原因のメール不着もあるのだ。
 
メールは、届くことを前提にするので「どこに消えた?」となり、相手を疑ったり、迷惑メールフォルダを疑ったりすることになる。しかし、実際にはサーバーレベルでメールの受け渡しがうまくいかないこともある。これを知っても、メール不着の問題は解決しないが、相手への疑いが減るだけでもまだマシだと言えよう。「メールが届かない」のは誰のせいでもないのだ。
 


「メールは届かないこともある」を前提に!


少し古い調査だが、メールの0.71~1.02%は無くなってしまうという論文があるそうだ(参考:メールの0.71~1.02%は「ただ消えて無くなる」~Microsoft研究者らが論文|INTERNET Watch)。100通に1通を多いと考えるか少ないと考えるかは別にして、一定比率で不着があるのは厳然たる事実だ。不着の主な原因はスパムフィルター。コンピュータやサーバーの性能が問題ならば時代とともに改善しそうだが、相手がスパムフィルターでは解決が難しい。これからもメールの不着は無くならないと考えるのが現実的だろう。
 
それならば、メールは「届かないこともある」連絡手段だと心得て作業することが必要だ。郵便であって、宅配便ではないのだ。相手側の受取確認をしないのだから、届いたかどうかはわからない。
 
どうしても読んでもらいたいメールなら、メールを送った後に電話するなどするしかない。「何のためにメールを使っているのか」と思うが、現時点でのメールはそういうメディアなのだ。良し悪しではなく、そういうものだと思うしかない。
 
そして何より、トラブルが起きたとき相手のせいにしない心構えが重要になる。

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