早口の音声ガイダンスで顧客満足が向上する!?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1669文字)


つい先日、故障したノートパソコンについて問い合わせをして驚かされた。問い合わせ内容の仕分けをする音声ガイダンスがやたらに早口なのだ。音声ガイダンスはのんびりと決め付けてぼんやり聞いていたせいもあり、あやうく聞き取り損ないそうになった。
 
最初は少し意表を突かれたものの、もちろんすぐに慣れる。早口のガイダンスは当然ながらさっさと進み、なかなか快適だ。自分にとっては、これはこれで悪くない。むしろ、大歓迎と言ってもいいくらいだ。
 
問い合わせ先が台湾のメーカーだったので、国による常識の違いかも知れない。この台湾流(?)の早口音声ガイダンス、使い方しだいでは顧客満足の向上に役立つように思う。
 

Photo credit : kugei / CC BY-NC-SA Photo credit : kugei / CC BY-NC-SA

 


ゆっくりしたガイダンスは誰のため?

ご承知の通り、音声ガイダンスはゆっくりなものが多い。「誰にも優しい」を目指し、どんな人でも聞き取れるような口調にしているものと思われる。あれだけのんびり話せば、子供でも老人でも聞き損ないは少ないだろう。
 
その一方で、自分のようなせっかちな人間は必要以上の遅さにイライラすることになる。まどろっこしいという訳だ。音声ガイダンスに接するたび、何でもっと素早く進まないのかと思ってしまう。
 
ゆっくりしたガイダンスは老人や子供には優しくても、せっかちな人には優しくない。大してせっかちでなくとも、あののんびりした口調に不満を持つ人は少なくないだろう。多くの場合、「誰にも優しい」は「そういうことが苦手な人でも使える」になりがちだ。しかし、それを推し進めると、その他の大勢の人たちが不満を抱くことになる。
 
フリーサイズの洋服は誰でも着れるが、誰にもフィットしない。「誰にも優しい」を目指しても、それを成し遂げることは難しい。やはり、何ごとにおいてもターゲッティングが必要になってくるのだ。
 


「ゆっくり」と「せっかち」でわければ・・・

さて、「誰にも優しい」の実現が難しいのなら、ターゲットを分割するしかない。「ゆっくり」した口調を好む人と「せっかち」な口調を好む人をわけて対応すればいいのだ。
 
まず「ゆっくり」でガイダンスして、「もっと早く話して欲しい人は“1”を押してください」でもいいだろう。最初から、「ゆっくり」と「せっかち」でお問い合わせ先の電話番号を変えてもいい。ちょっとした工夫で、問い合わせをする人の不満は大きく解消される筈だ。
 
また、この分別を元にその後の対応方法をコントロールすることも可能になる。「せっかち」を選んだ人にはなるべく早く問い合わせが終わるような対応を、「ゆっくり」を選んだ人にはとにかく丁寧な対応をすれば、問い合わせ側の満足も上がるだろう。更に言えば、同じ人数 × 時間で多くの問い合わせを処理できるようになり、業務効率が改善するかも知れない。
 


ニーズに合った対応が真の「おもてなし」

穿った見方をするなら、「ゆっくり」した音声ガイダンスによって問い合わせ件数自体が減ると考えることもできる。問い合わせに時間が掛かることを億劫がって、電話することをためらう人もいるだろう。これによりお客の満足度は下がるが、問い合わせ対応に掛かるコストは削減可能となる。好みを別にすれば、ビジネスとして「アリ」の選択肢だ。
 
しかし、顧客を中心に考え、これを目指さないなら、問い合わせる人によって対応を変えることは大きな効果を生む。丁寧なばかりが能じゃない。ニーズに合った対応が真の「おもてなし」となる。
 
問い合わせ対応は、同じメーカからの再購入意向やブランドイメージに影響する可能性が高く、注力する価値がある機能だ。ところが、「誰にも優しい」がうまく実現できていない。具体的な方法は別にしても、ターゲットにあった対応を提供することが、この機能の満足向上につながるように思う。一度、ゼロから見直してみたらいかがだろうか。

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