急速冷却でコンビニの冷蔵庫は要らなくなる?


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英国の会社が、飲み物の急速冷却装置を開発したという。冷却に掛かる時間はたったの10秒。炭酸の入った飲み物でも冷却後に泡が吹き出さないというのだから、芸が細かい(参考:常温のビール等を10秒以内で冷却できる装置|WIRED.jp)。
 
まだ販売段階にまでは至ってない商品のようだが、これが実用化されればコンビニエンスストアなどの店頭に大きな変化が起きるだろう。急速な冷却が可能になれば、ドリンク類の冷蔵庫がすべて要らなくなるかも知れないのだ。
 

Photo credit : Rick McCharles / CC BY Photo credit : Rick McCharles / CC BY

 


冷蔵は手段であって目的でない


一般的に、コンビニエンスストアなどでは飲み物は冷蔵した状態で販売されている。以前に紹介した通り常温での販売も増えてきているようだが、まだ例外的な扱いだ(参考:冷えてないお茶、はじめました!)。
 
ドリンク類を冷蔵した状態で売っているのは、飲み物は冷たい状態で口にした方がおいしいと考えられているからだろう。ただし、これは飲み物を冷やし続ける理由にはならない。冷たいものが飲みたいだけなら、飲み物をずっと冷蔵しておく必要はない。その場で冷やせば充分だ。
 
魚や肉などの生鮮食品と飲み物では、冷蔵の位置付けに違いがある。生鮮食品は一定の温度での保存が必要なので、低温状態をキープするために冷蔵庫を利用する。一方、飲み物の多くは厳密な温度管理を必要としておらず、保管だけなら常温で充分だ。店頭で冷蔵庫に入れた状態で販売しているのは、それがお客に冷たい飲み物を提供するための現在における最善の手段だからに過ぎない。
 
飲み物の場合、冷蔵は手段であって目的でない。このため、その機能を置き換える新商品が開発されれば、冷蔵庫は要らなくなるかも知れない。
 


この飲み物は冷やしますか?


コンビニでお弁当を買うと、「お弁当は温めますか?」と聞かれる。今となっては当然でも、電子レンジが一般に普及していなかったころには考えられないことだろう。
 
急速冷却装置が普及すれば、常温の飲み物をレジの持って行くと「この飲み物は冷やしますか?」と聞かれるようになっても不思議はない。現時点ではなかなか想像つかないだろうが、世の中は変わっていくのだ。
 


常識を疑うことがチャンスを生む


長いこと、ある商品がある状態で売られていると、それが常識のように思えてくる。それによる効果(ドリンク類で言えば冷たく飲めること)があれば、なおさらだ。
 
しかし、その状態で販売していることが絶対とは限らない。ドリンク類は飲むときに冷たければいいのであって、冷蔵庫の利用はそのための手段。あるときそれが最善の手段であっても、時代が変われば新しい手段に置き換わることもある。
 
ビジネスにおいては、常識を疑うことがチャンスを生む。当たり前だと思っていたことが当たり前でなくなれば、そこに商機がある可能性は高い。冷蔵庫と急速冷却装置の関係は、この「当たり前」が変わり得る好事例のように思えた。
 
「常識を疑う」が言うは易く行なうは難しの典型なのは承知している。でも、それだからこそ、常識を疑うセンスを磨くにはたくさんの事例に触れることが必要になる。今回紹介した事例はかなり現実味を帯びていると思うのだが、いかがだろうか。

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