iPhoneのホーム画面には重力が働いている!?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1661文字)


iPhoneのホーム画面はセンタリングがうまくできていないという話題があった。ホーム画面数をあらわす「 ● ○ ○ ○ 」の表示が、少し左側にズレているというのだ。ソースが2ちゃんねるのまとめサイトなのは冴えないが、情報の出所に貴賤なし。なかなか興味深い指摘だと思う。言葉だけではわかりにくいということで、説明の画像まで付いている(参考:iPhoneのホーム数のドットが真ん中じゃなくて気になる奴wwwww|アルファルファモザイク)。
 

※画像はアルファルファモザイクより
※画像はアルファルファモザイクより

 
「アップルがそんな美しくないことをする筈がない」と思いつつ実機で確認したところ、確かに「 ● ○ ○ ○ 」は中央からズレている。でも、何かがおかしい。ズレ方が安定していないのだ。そこでいろいろ試していると、あることに気付いた。このズレは、どうやらアップル流のユーザビリティのようだ。
 


iPhoneを傾けると・・・


結論から言えば、iPhoneホーム画面のアイコン、壁紙、「 ● ○ ○ ○ 」表示はその傾きによって上下左右に移動する。iPhoneの右側を下にしたときと左側を下にしたときでは、画面上の配置に違いがあるのだ。
 

iPhoneホーム画面のズレ

 
この画像の「 ● ○ ○ ○ 」 表示の左から2つ目の○を見ると良くわかるだろう。左の画像では左側の線の更に左に位置しているのに、右の画像では線と○が少し重なっている。上にある「写真」や「計算機」を見ればアイコンが移動しているのもわかるし、画面の右端と左端を見れば壁紙の見えている範囲が変わっていることも確認できる。iPhoneを傾ける角度によって、まるで重力が働いているように(?)画面が変化するのだ。
 
正直に言って、画面配置の動きの原理はよくわからない。傾ける角度によってアイコン等の位置が変化するのは間違いないが、どの角度にするとどう動くかが直感で理解できないのだ。とは言え、iPhoneの持ち方次第でアイコン等がズレていることは確認できる。iPhoneをお持ちの方は試してみるといい。
 


何が人を「やみつき」にさせるのか?


この動きの狙いは、iPhoneのユーザビリティ向上のための一工夫だと考えることができる。左側を下にしたときと右側を下にしたときでは、顔とiPhone画面の角度が違うので、それを補正しているという見立てだ。
 
そして、このようなちょっとした仕掛けがアップル好きの心を刺激する。使い勝手にこだわった美しいデザインは、アップルの絶対的な特徴と言えるからだ。MacとWindowsの違いはここに尽きると言ってもいいだろう。トップがジョブズからクックに変わってもここが変わらないのなら今後のアップルにも期待したくなる。
 

Photo credit : Mike Deerkoski / CC BY Photo credit : Mike Deerkoski / CC BY

 
以前、顧客を「囲い込む」ことと「やみつき」にさせることの違いについて書いたことがある。サイトから退会しにくくしたりして無理に囲い込むことに価値はなく、ユーザーを「やみつき」にさせて自然と離れなくすることに価値があるという主張だ(参考:「退会しにくい」に価値はない!)。アップルのデザイン上の工夫は、正にユーザーを「やみつき」にさせる要因と言える。アップル製品のデザインになれたユーザーは、他社製品の使いにくさに辟易して、アップル製品に「やみつき」になるのだ。もちろん、すべてのユーザーがそうなるわけではないが、世のアップルファンの多さを見れば、そういう人たちが一定数いるのは確かだろう。
 
一朝一夕に真似できることではないが、多くの製品が成熟している今の時代だからこそ、こういう「やみつき」にさせる何かが真の差別化要因になる。開発側が押し付ける価値ではなく、顧客側が自然と喜ぶ価値をつくらなくてはならない。そして、これを実現するためには、何より「顧客を知る」ことが重要だ。すべては「調査」からはじまるのだ。

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