「強さ」を見える化するイロレーティング


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1619文字)


イロレーティングは、2人制ゲームでの一人一人の「強さ」を数値化する計算方法だ。国際チェス連盟の公式レーティングに採用されるなどいろいろなところで活用されている(参考:イロレーティング|ウィキペディア日本語版)。
 
例えば、将棋の世界では非公式ページながら棋士のレーティングを掲載する将棋連盟 棋士別成績一覧というサイトがある。各棋士に現在の持ち点があり、この点数が日々の対局の勝敗によって変化する仕組みだ。所有しているタイトルや段位などとは関係なしに、対局の結果のみによって現時点での「強さ」が数値化されている。

※画像は将棋連盟 棋士別成績一覧からキャプチャー


※画像は将棋連盟 棋士別成績一覧からキャプチャー

 
元々の意味付けを脇に置けば、イロレーティングはさまざまなモノの「強さ」を相対化するのに利用できそうだ。市場に溢れ返るさまざまな商品の力をあらわすことにも使えるかも知れない。そして、商品力を数値に置き換えられれば、その数値を使ってさまざまな見える化ができるだろう。イロレーティングはたくさんの可能性を秘めたなかなか魅力的なツールだ。そこで、このイロレーティングについて少し解説してみることにする。
 

Photo credit : Chris Potter / CC BY

Photo credit : Chris Potter / CC BY

 


勝利によって獲得できる点数は持ち点差から決定


繰り返しになるが、イロレーティングは2人制ゲームでの「強さ」を数値化するための計算方法だ。最初の持ち点は全員1500点。これを勝敗によって奪い合う。ゲームに勝てば敗者から持ち点を奪うことができ、ゲームに負ければ勝者に持ち点を奪われることになる。ここまでは極めて当たり前で、どうということはないと思われるだろう。
 
イロレーティングの特徴は、勝利によって獲得できる点数の決定方法にある。移動する点数が、対戦者2人の勝負前の持ち点差によって決まるのだ。数式にすると
 
対戦者Aが対戦者Bに勝ったとき獲得できる点数 =
  K × ( 1 – 1 / ( 1 + 10 ^ ( ( 対戦者Bの持ち点 −対戦者Aの持ち点 ) / 400 ) ) )

 
となる。
 


獲得点数を具体的に計算すると・・・


上で紹介した数式で「K」は定数値。プロレベルでは16、通常は32を使うらしい。「K」を32とした場合の獲得点数を具体的に計算すると、以下の通りとなる。

イロレーティングによる増加点数一覧

 
つまり、対戦者Bがなかなか勝てそうにない強敵だと獲得点数は多くなり、勝って当たり前の弱い相手なら獲得点数は少なくなる。この獲得点数の違いによって、1戦1戦の勝利の価値を調整している訳だ。
 


最近の調子まで反映できる


このレーティングの長所は最近の調子まで反映できるところと言えよう。現時点で同じ10勝5敗の人でも、最近5連敗した人と、最近5連勝した人ではスコアの動きが違ってくる。レイティングの時系列の変化を見れば最近の調子がわかるのだ。
 
今回の説明だけではまだまだ漠然としたものにしか見えないだろうが、このレーティングは広く応用可能のように思う。例えば、購入商品のスイッチなどを勝敗に見立てて各商品の点数を計算してもいいし、3つ以上の商品で争っている状態を総当り戦に見立てて点数化してもいい。多少の無理は寄るだろうが、「強さ」というはっきりしないものが「点数」という見えるものに置き換わるのは素晴らしい。
 
後は応用の仕方次第。何かを数値化したいと思ったときには、イロレーティングに少し挑戦してみてはいかがだろうか。

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