東京新聞の「建国記念日」にびっくり!


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先日、Yahoo!ニュースのRSSを見ていて驚いた。記事の見出しに「建国記念日」という表記があったのだ。正しくは「建国記念の日」で、間に「の」が入る。もちろん、このトピックスからリンクされている記事ではすべて「建国記念の日」になっている。普段の会話の中では「建国記念日」という人も多いが、法律上は「建国記念の日」であるため、公の場ではこう書くのが正しい。「Yahoo!ニュース」などと名乗っていても、あくまで普通のIT企業。「建国記念日」と書くとは、新聞社やテレビ局と比べるとやっぱり「脇が甘いな」と思った訳だ。
 
Yahoo!ニュース 建国記念日
 
さて、新聞社やテレビ局が「建国記念日」を使わないことを確認しようとGoogleのニュース検索をして更にびっくりした。インターネット上のこととはいえ、東京新聞と時事通信が「建国記念日」という表記を使っていたのだ。

 ●改憲賛否各団体が建国記念日に集会|東京新聞

 ●安倍首相メッセージ全文=建国記念日関係|時事通信

何かの手違いだと思って両社のページにあたっても、見出しに「建国記念日」の表記がある(いずれも記事の中では「建国記念の日」)。そのうち修正されるだろうと思っていたが、いまだに「建国記念日」の表記が残っている。どうやら間違いに気付いてないか、「建国記念の日」を「建国記念日」と略しても問題がないと思っているのだろう。
 
自分の場合、「建国記念の日」に特にこだわりはない。正直に言ってしまえば、「建国記念の日」と「建国記念日」の違いはあまりに技巧的過ぎて興味が湧かない。それでも、公式な場所で「建国記念日」を使う軽率さの方はかなり気になる。もしツッコミが入ったらどうするのだろうと思う。
 

2月11日

Photo credit : s2art / CC BY-SA


 


「建国記念日」と「建国記念の日」のデリケートな部分


戦後、「建国記念の日」を制定するまでには紆余曲折の議論があった。「の」の入らない「建国記念日」を制定する法案が何度も廃案になったのだ。「建国記念日」では、正しく「その日」に建国したことになってしまうため、そこに問題があるという人たちがいたらしい。結局、「の」の字を入れることで「(いつなのか明らかではない)建国を記念する日」となって、双方が妥協したと言われている。
 
「建国記念日」と「建国記念の日」のどちらが適当かを議論したい訳ではない。「建国記念日」に拒否感を示す人がいたために、「建国記念の日」になったという経緯が重要なのだ。「の」が入ることで妥協した人たちがいたのだから、軽率に「建国記念日」と書けばどこからか抗議が入ってもおかしくないだろう。
 
公の場で何かをするのなら、こういうデリケートな部分には充分配慮する必要がある。軽率な言葉遣いでツッコミが入れば厄介事に成り兼ねないからだ。言葉狩りではなく、リスク管理として慎重な言葉遣いが求められる。そしてだからこそ、こういうリスク管理には長けている筈の新聞社や通信社の間違いには驚かされた。簡単に言えば「らしくない」のだ。チェック機能が弱くなっているのかも知れない。
 


誰かが必ず見ている世の中では・・・


今の世の中、インターネット上で企業が個人のやることは誰かが必ず見ている。情報は拡散しやすく、不用意なことをすればどこからツッコミが入るかわからない。昨年大きく話題になった「炎上」なども、この文脈で捉えることができるだろう。
 
上に挙げたようような言葉遣いのミスは、以前からあったのかも知れない。しかし、少し前までは情報の流通や保存が容易でなかったため、発見されなかったという見立てだ。それが今では、Googleでニュース検索するだけでこのようなミスが見付かってしまう。企業や個人のミスが発見されやすくなっているのは間違いないだろう。
 
一般の企業でも、余計な厄介事に巻き込まれたくなかったら、言葉遣いのチェックが必要だ。新聞社などのメディアでさえこういうミスをするのだから、不慣れな一般企業の広報などは特に脇を固めなくてはならない。どこの企業でも既に取り組んでいる問題だろうが、最近の情報の流れを見るにつけ、更なる強化が必要になるように思われる。一朝一夕にはままならないが、まずはリスクの存在を自覚することが役に立つだろう。「炎上」を恐れるなら、言葉遣いへの配慮を忘れてはならない。

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