消費税増税で1円玉をもらう確率は増える?


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1612文字)


消費税増税まで残すところあと1か月。どこのお店でも価格改定のお知らせを見るようになった。増税分3%の取り扱いについて、頭を捻ったお店も多いだろう。
 
さて、消費税が5%から8%に上がることを受けて、1円玉の製造が再開されたという(参考:1円玉、出番です 消費増税で4年ぶり製造再開|朝日新聞)。8%になると1円単位の端数が増えて1円玉が必要になるという見立てらしいが、本当にそうなるのだろうか。エクセルを使ってちょっと考えてみた。
 

税金

Photo credit : Tax Credits / CC BY


 


1円刻みで考えると・・・


まず、税抜価格が1円刻みで1円〜1,000円のとき、それぞれの税込価格の端数が5%と8%と10%でどう変化するか試算してみた。100円(5%で105円)と1,100円(同1,155円)、2,100円(同2,205円)、・・・の1円単位の端数は同じになるので、1,000円までの価格について計算すればすべての金額を調べたことになる。
 
消費税で発生する端数 
計算してみて驚いたが、5%だろうと8%だろうと10%だろうと1円単位の端数の分布は同じになる。1円未満を切り捨てても四捨五入しても、どれも0円〜9円まで均等に分布するのだ。税抜価格の分布に偏りがないのなら、消費税増税によって端数のお釣りが増えることはない。つまり、1円玉の需要は伸びないことになる。
 


10円刻み、100円刻みになれば・・・


実際には10円刻み、100円刻みの税抜価格が多いだろう。そこでこれらに絞って再度集計してみた。
 
消費税で発生する端数
 
消費税で発生する端数
 
いかがだろう。10円刻みの場合、8%で端数に変化があらわれる。ただ、端数が偶数になり易くなるため、1円玉が不要な「0円」が却って増えることになるようだ。100円刻みの場合は、影響が大きい。端数は、5%で「0円」と「5円」に、10%で「0円」に集中し、1円玉は必要なくなる。以上をまとめると、消費税が8%になることで今より多くの1円玉が必要になるのは、100円刻みの値付けをしているお店が中心となるようだ。
 


現在の税込価格が10円単位の場合はややこしい


ここまで考えたものの、実際の影響はよくわからない。価格を10円単位、100円単位に丸める店も出てくるだろうし、複数の商品を買えば一つ一つの端数は相殺される。1円玉を扱うことを嫌うお店が多ければ、試算より影響は小さくなるだろう。
 
ただし、今回の増税で便乗値上げをしていないことを示すため、厳密に増税分だけ値上げするお店が増えるとややこしくなる。現在の税込価格から税抜価格に戻って、改めて8%の上乗せをする必要が生じるからだ。つまり、現在の税込価格を1.05で割って1.08を掛けるという価格計算になる。税込価格1,000円の税抜価格は952円(小数点以下は四捨五入)。これに8%を上乗せすると1,028円になる。この場合、現在の税込価格が10円単位だと、そのほとんどで端数が発生する。良かれと思って税込みで10円単位の価格をつけていたことが、却って仇になってしまうのだ。
 
消費税で発生する端数
 


見掛けの端数にこだわない割り切りも必要


今回の5%から8%への増税で端数の調整を行なうと、次回以降の増税のときにも端数の調整が必要になり、ややこしさは増すばかりだ。税率が変わるたびに小細工を繰り返すと、価格がよくわからなくなりお客に不信感を抱かれ兼ねない。
 
この際、見掛けの端数にこだわない割り切りも必要なように思う。コストに見合った価格を正直に付けて、端数が出たら出たで対応する。その方がシンプルになると思うが、いかがだろうか。

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