XP終了とOS X無料化 ― OSはもう進化しない?


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1606文字)


Windows XPのサポート終了とMacOS Xの無料化。
マイクロソフトとアップルによるこれらの動きには、共通の背景が影響しているように思う。その背景とは、一般の利用者がOSの進化に魅力を感じられない状態だ。
 

Windows XP

Photo credit : Abd allah Foteih / CC BY-SA

 


お金を取れるような進化はできなくなった?


昨秋、OS Xの無料化が発表になったとき考えたのは、「もうお金を取れるような進化はできなくなったのか」ということだった。アップルのOSはバージョンアップのたびにその価格が下がり、それに伴ってOSの進化の度合いも減ってきているように感じていたからだ。
 
成熟したOSに革新の余地は少なく、あるのはちょっとした改善の積み重ね。
新機能が加わったとしても、そこまで画期的なものではない。利用者がOSの進化に魅力を感じられない状態になってしまったら、そこから収益を得るのは難しい。それならば、OSを無料化してバージョンアップを促すことを最善と考えたとしても不思議はないだろう。
 
Windows XPのサポート終了について言えば、長くOSの進化に魅力を感じられない状態が続いたことが諸悪の根源だ。新しいOSに魅力を感じないユーザーと、それを切り捨てる決断力がない企業が組み合わさったことで、古いOSがずっと残ってしまった。セキュリティ上の不安などを理由に乗り換えを促そうとしてもなかなかうまくいかないのは、今回もまた新しい魅力が提供できないためだろう。
 
もちろん、WindowsもOS Xもアプリケーションの高速化とか、セキュリティの向上とか、内部的には大きく進化している筈だ。しかし、利用者が感じるベネフィットは大きく変わらない状態になっている。製品が「どう存在しているか」に進化があっても、その製品をお客が「どう認識しているか」に進化がなければ、ベネフィットは生まれず、人の心は動かない。作り手側が魅力向上をいくらアピールしたところで、それが使い手側に伝わらなければ何にもならないのだ。
 
OSのバージョンアップには一定の手間が掛かり、操作性の変化などで後から不便な思いをする可能性も高い。余程のベネフィットがない限り、利用者は積極的な乗り換えなどしたくないだろう。現在はこの状態が極まっているように思う。OSの提供側はこの前提に立つ必要がある。
 


無駄な機能てんこ盛りは勘弁!


古い製品の既存ユーザーに買い替えを促すとき、新製品の新機能を売りにすることが多い。新製品を買えば、「古い製品ではできなかったこんなことができますよ」という訳だ。これは商品が成長段階や成熟段階の初期にあるとき効果を生む。
 
ところが製品が成熟してきてしまうと、新機能を付けることが困難になってくる。ひと通りの機能は揃っているので、よほど革新的な思い付きでもしない限り、余計な新機能しか生み出せなくなってくるのだ。これをやり過ぎると、使わない機能だらけの製品ができてしまう。日本の家電などで多く見られる現象だ。
 
OSについて言えば、アップルは大幅な進化をあきらめているように見える。一方、マイクロソフトはWindows 8でわかるように、まだまだ革新を目指している。もちろん、それがユーザーの期待に応えるようなものなら大歓迎だが、そうでない場合、上で例に挙げた家電の後追いになってしまうだろう。
 
無駄な機能てんこ盛りで使い難いOSは勘弁して欲しい。利用者の認識としてOSの進化が止まってきていることを素直に認め、その状況にあわせて目指す方向性を熟慮してもらいたいものだ。

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