ファミマ、100円コーヒーの不思議


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1458文字)


ファミリーマートが、ファミマカフェのコーヒーを値下げした。
昨21日から、これまで120円だったブレンドコーヒーSサイズを100円にしたのだ。セブンイレブンらに追随した格好になる。
 
この値下げにより、「1日1店当たりの販売額を現在の約7千円から1万円に伸ばす」ことを目指しているという(参考:ファミマ、いれたてコーヒー値下げ Sサイズを100円に|日本経済新聞)。この売上すべてをブレンドのSサイズと仮定すれば、元の価格で7,000円は約58杯、新価格で10,000円は100杯。この目標を達成するには販売数を70%以上増やす必要がある。100円コーヒーが他社と較べて低価格ならいざ知らず、価格を同じにしただけでこの伸びを期待するのは虫が良過ぎるように思う。
 
正直に言えば、ファミリーマートの狙いがわからない。この程度の手緩い対策では、大きな成果を期待するのは難しいだろう。何とも不思議な価格変更だ。
 

100円

Photo credit : xsix / CC BY

 


セブンイレブンに対抗するなら・・・


コンビニで買えるコーヒーについて、現時点でセブンイレブンが先行しているのは間違いないだろう。セブンイレブンのコーヒーの「1店当たりの1日平均販売数は100杯」と言われ、これは売上にして10,000円以上。これはファミリーマートの目標額に相当する(参考:セブン・イレブン、コーヒーが売り上げのけん引役に|WSJ.com)。新聞や雑誌のコンビニコーヒーのニュースもセブンイレブンが中心であり、細かなデータは揃わないもののセブンイレブンの優位は動かないように思う。
 
これを追い掛けるファミリーマートが価格で追随した。問題は「価格が同じになっただけ」ということだ。先行しているセブンイレブンに並んだだけで、販売数が大きく伸びるとは考え難い。競争を仕掛けるつもりなら、コーヒーにファミリーマートならではの付加価値をつくる、更なる低価格で売り出すなどの対策が必要になる。
 
もちろん、今まで「コーヒーが安いからセブンイレブン」だった人がファミリーマートに戻ってくる可能性はあるし、コーヒーの価格が原因のお客流出を止めることはできるかも知れない。それでも、追い掛ける側が追随にとどめるというのはかなり不思議な戦略だ。最初から競うつもりがないようにさえ見える。セブンイレブンに対抗するなら、更なる低価格は厳しいとして、ローソンのように高級路線を目指すとか、いれたての日本茶や紅茶を売り出すとか、別の道があるのではないだろうか。
 


イメージダウンを忘れずに!


コーヒーで、ファミリーマートはセブンイレブンに「勝たなくていい」という考え方はある。相手が有利な土俵で無理して戦う必要がないという判断はある意味で合理的だ。ただし、それならば我が道を行けばいい。価格追随は、何しろ中途半端な印象を受ける。
 
「勝たなくていい」に基づく行動は、イメージダウンを招く危険があることを忘れてはならない。広く一般消費者に、「冴えない」印象を与えてしまうのだ。横並びの誘惑はわかるものの、追随のイメージは決して良いものではない。すべて承知の上で100円コーヒーを最善手と考えたのだろうが、今回のファミリーマートの戦略はかなり不思議に思えた。

    • なべっち
    • 2015年 4月5日

    コンビニが選ばれる最大の要素は場所です。自宅や職場から近いこと、または移動途中で立ち寄りやすい場所であることです。

    コンビニに価格の安さはあまり重要ではないと思います。他店よりも高くなければ十分ではないでしょうか。

    価格が気になる人はコンビニよりも安いスーパーで買い物しますし、コーヒーの値段が気になるのならば、自宅でコーヒーを作って飲みます。

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