アンケート回答者は酔っ払いだと思え!?


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1726文字)


俗に、「アンケートは中学生でもわかるようにつくれ!」と言う。
難しい言葉や専門用語を使わず、わかり易い文章で質問しなさいという教えだ。また、アンケートをつくっていると、その対象となる商品やサービスについて詳しくなり、ついつい一般の消費者には理解できないような質問をしてしまうことがあるので、これを戒める含みもある。
 
さて、アンケートに長く携わってきた経験からこの教訓の趣旨には賛同するものの、想定する回答者を中学生とするところには以前から疑問を持っていた。何も「小学校高学年の方が適切」とか、「高校生で充分」という話ではない。想定回答者をセグメントする軸として年齢が適切かという議論だ。他の側面に注目して、むしろ回答者を酔っ払いと考えたらどうかと思う。
 

  


回答者に欠けているのは理解力? 集中力?


アンケートの回答者を中学生とするのは、回答者にはいろいろ居て、中には知識や理解力が乏しい人もいるという発想だ。無駄なカタカナ語や凝った言い回しを使って理解を妨げる必要はないということになる。
 
ただ、冷静に考えれば回答者は中学生ではない。理解力が劣っている人がいるとしても、そこまで極端な人は少数だろう。平易な言葉で質問することは大切だが、あまりに丁寧な聞き方をすれば、質問文を読んでいる普通の人が焦れてしまう。
 
一方、アンケートを回答している人を見ていて感じるのは、「さっさと済ませたい」人が多いということ。現代人は忙しく、その時間のないところで協力しているのだから、早く終わらせたいのは当然だろう。そしてそうなると、回答者の集中力が疎かになってくる。
 
自分が見る限り、回答者に欠けているのは理解力より集中力の方だ。少しでも早く回答を終えたいので、質問を読み飛ばし、選択肢を誤解する。これは、中学生より酔っ払いに近いだろう。お酒がまわって、脳のどこかがゆるみ、アレやコレやが雑になっている状態を想定した方が良いのではなかろうか。
 


アンケートも顧客志向で!


今回の内容、実はユーザーインターフェースの質を高める手法「ユーザーはヨッパライ法」とは|GIGAZINEという記事を見て思い付いたこと。「誰にでも使える」を目指すときに、子どもや高齢者を考えるのは安易。酔っ払いの方が適切なのはアンケートも同じと考えた訳だ。
 
どんなことでも、成功したいならその活動の対象となる相手のことを徹底的に考えるのは基本中の基本。やりたいことが商品やサービスの提供で、相手がその買い手ならマーケティングのターゲット論となるが、この構図は何にでも当てはまる。アンケートの回答者に少しでも実のある回答をしてもらいたいなら、その相手のことを考えることが必要だ。一般消費者向けのアンケートと大学生対象のアンケートでは言葉遣いを変えて当然だし、街頭調査と訪問調査では相手の状況が違うため質問票のつくり自体を変えることになる。
 
酔っ払いを想定することは万能ではないが、今の調査環境に案外合っているように思えた。当然ながら他のいろいろな人たちを想定してもいい。ただ、大切なのは、相手について通説などを信じず自ら改めて考えること。何らかのメッセージを送りたいのなら、その伝えたい内容を明確にした上でターゲットとなる人たちに合わせる必要がある。要は顧客志向だ。アンケート然り、ホームページ然り、お店の中の案内表示然り。世の中はターゲットが漠然とした文章で溢れている。そしてそうである限り、この部分を工夫すると見違えるような効果が期待できるだろう。
 
さまざまなメッセージのターゲットを再確認して表現を改めれば、いくつものコミュニケーションがスムーズになり、その影響は広範に及ぶ。自社や自分のため、そしてお客のためにも、ターゲットを明確にしたメッセージ発信にトライしたらいかがだろうか。

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