『明日への統計』からはじめよう!


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1713文字)


統計は取っ付き難い。
ややこしい数式がたくさん登場する統計学はもとより、さまざまな事象の実態をあらわす統計データもあまり近寄り易いものではないだろう。役に立つ筈の統計データがなかなか使われないのは、その取っ付き難さに一因があるように思えてならない。
 
中でも、各省庁が発表している統計情報は特にあつかい難い印象だが、例外がある。
それが今回紹介する『明日への統計』だ。
 

統計

credit: geralt via FindCC

 


ほとんどの話題が半ページないし1ページで完結


実は、2014年度の『明日への統計』は先日公開されたばかり。出版物があるのかも知れないが、ホームページで確認する方が手っ取り早い。PDF版HTML版の両方が用意されている。
 
内容は、
 (1)今年度実施する統計調査の案内
 (2)調査結果のトピックス紹介
 (3)統計情報の利用方法の説明
の3部構成。
 
とは言え、50ページにも満たない小冊子で、ほとんどの話題が半ページないし1ページで完結しているため読み易い。特に読んで欲しいのが(2)調査結果のトピックス紹介の部分だ。実際の冊子では「総務省統計局が実施している調査の結果から」とやや堅苦しいタイトルが付いているが、肩肘張らずに気軽に読める。
 


知っていて損のない情報ばかり


トピックス紹介は、我が国の人口、世帯のすがた、子どもと若者のくらし、高齢者のくらし、家計・消費・物価、我が国の事業所・企業という誰もが興味を持ちそうな6つの切り口で整理。切り口それぞれに複数のトピックスが用意されている。
 
「世帯のすがた」なら、
 (1)一般世帯は一貫して増加、一般世帯の1世帯当たり人員は一貫して減少
 (2)平成22年では単独世帯が最も多い家族類型となった
 (3)女性の労働力状態は「主に仕事」の割合が上昇
 (4)女性の有業率は25~39歳及び50~64歳の各年齢階級で上昇
といった具合。
 
極めて大きな視点でのデータなので直接ビジネスに結びつくようなものではないが、ビジネスを考える背景として知っていて損はないだろう。例えば、「単独世帯」(一人暮らし世帯)が「夫婦と子供から成る世帯」を上回っていることなどは、多くのビジネスでジャブのような影響を与える筈だ。
 


統計情報の「さわり」を字引き代わりに


政府が提供する統計データは、タイトルが漠然としていてどこにどんなデータがあるのかわかり難いという欠点がある。例えば、業種別の企業数を知りたいとき、どの統計を見ればいいのかすぐにわかる人は少ないだろう。
 
こんなときにも『明日への統計』は便利に使える。
いろいろな統計の情報の「さわり」が紹介されているので、必要な統計を見付けるときの字引き代わりになるのだ。企業数なら「我が国の民営事業所数は576万8489事業所、企業等の数は412万8215企業」のトピックスが関連しそう。ここから、データ元の経済センサス・活動調査を知れば、話が早い。この冊子で探しているデータに当たりを付ければ、データ活用が捗るのではないだろうか。
 


1日1トピックス!


統計データをうまく活用するようになるには「慣れ」も大切だ。そして、あまり多くの統計情報をいっぺんに詰め込むより、日々少しずつデータに触れることが良いように思う。1日1トピックスで問題ない。
 
何も難しいデータを見る必要はない。『明日への統計』にあるような基礎的なデータで充分だ。データをしっかり頭に入れ、そのデータの影響がどこに及ぶのか考える習慣を付けることが糧になる。肩の力を抜いて、まずは簡単な『明日への統計』に親しんだらいいだろう。それだけでも、取り組み方次第でかなりの収穫になる。統計データを少しでも活用したいと思う人には、ぜひ、『明日への統計』からはじめることをオススメしたい。

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