Googleの書籍検索がおもしろい!


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Googleブックスをご存知だろうか。
名前から、Amazonに対抗するような書籍販売サイトをイメージしてしまうが、そこはGoogle。このサービスで行なえるのは書籍の全文検索だ。書籍の販売はオプションで、それも日本ではGoogle playでの電子書籍のみとなっている。
 
その存在は知っていたものの、書籍の全文を検索するという仕組みが理解の外で、「使わず嫌い」だったこのサービス。試しに使ってみると、ちょっとおもしろい。自分のような「使わず嫌い」の人は、Googleブックスを一度試してみたらいかがだろうか。
 

本

credit: Patrick Gage via FindCC

 


知りたいテーマについて拾い読みが可能


Googleブックスで検索できるのは、まさに書籍の内容となる。ウェブ検索ではインターネット上にあるホームページがヒットするが、Googleブックスではその代わりに書籍が結果として表示されるのだ。
 
例えば、我が敬愛のスティーブ・ウォズニアックを検索すると、『アップルを創った怪物: もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』、『スクリューフレーション・ショック』、『インサイド・アップル』などがヒットするといった具合だ。自身の自伝やアップルの組織論の本にウォズが登場するのは当然だが、『スクリューフレーション・ショック』は「日本から中流家庭が消える」というお話。こんなテーマの本にウォズが登場するのを知ることができるのは、全文検索だからこそと言える。
 
更に嬉しいことには、この3冊に限って言えば本の中身を読むことができる(『インサイド・アップル』は目次のみ)。『スクリューフレーション・ショック』を実際に読んでみると、ウォズが出てくるのはスティーブ・ジョブズの「アメリカンドリーム」のパートナーという位置付け。それなら、この本に登場するのも納得だ。前後数ページが読めるので、どんな流れで登場するのかを知ることも可能なのが良い。
 
もちろん、結果として出てくる書籍のすべてが読めるわけではない。読める本と読めない本がある。それでも、知りたいキーワードについて触れている本がわかるだけでも有益な情報だろう。自分が興味を持っているテーマについての、幅広い資料探しに役に立つ。
 
とは言え、折角ならばヒットした本を少しは読みたいというのが人情。
その場合は、検索した後、「検索ツール」 →「すべての書籍」 → 「プレビュー利用可能」と指定すれば良い。これで、プレビュー = 本の内容を見られる書籍だけに絞り込まれる。内容を読める程度は本によってバラバラだが、これを片っ端から読んでいくのがおもしろい。興味を持っているテーマについて、何冊もの本を少しずつ拾い読みするのはなかなか楽しい知的刺激と言えよう。
 


無料で読めることが売上を伸ばす!?


買ってもいない本の中身を読めることを不思議に思うかも知れないが、よく考えると、立ち読みや図書館での貸し出しと大差ないとも考えられる。検索できる分だけ効率がよく、書籍に接しなくていい分だけ物理的な手間が省けると捉えることができるのだ。そして、こうやって効率的に多くの知識に接触できることは、人の能力に良い刺激を与え、人が知的な何かを生み出す機会を増やすだろう。
 
出版社からすれば、書籍が売れるチャンスをみすみす逃すようで、内容の公開に応じないのが当然のようにも思う。しかし、書籍を無料で読めることが、書籍の売上を伸ばすチャンスとなることも忘れてはならない。YouTubeでの動画公開でDVDの売り上げを230倍にした『空飛ぶモンティ・パイソン』、全話無料公開で周辺作品の売り上げを増やした『ブラックジャックによろしく』の例もある。コンテンツを買ってもらうという最終目的のため、その手段としてあえてコンテンツの一部を公開する方法は、極めて理に適っているように思われる。
 
出版社には出版社なりの考えがあるのだろうが、外部環境が大きく変化している中、今までのやり方を守っているだけではビジネスとして通用しなくなるリスクがある。何より人の知に貢献するためにも、書籍の内容をもっと積極的に公開した方がこれからの時代の生き残りにつながるだろう。そして、もっとたくさん読めるGoogleブックスを実現していただければ、書籍の売上も増えるかも知れない。なかなか決断できるような事柄ではないのだろうが、Googleブックスの楽しさを知り、改めてこんなことを考えた次第。

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