究極の質問 この商品を友人に薦めますか?


この記事の所要時間: 340秒 〜 440秒程度(2045文字)


アンケートで顧客の声を知りたいとき、どんな質問をすれば良いだろうか。
顧客満足、次回購入意向、価格の妥当性評価、顧客が考える商品の長所/短所、そのジャンルの商品を選ぶときに重視するポイント、今まで購入したことのあるライバル商品、顧客の性別や年齢、・・・。知りたいことはいくらでもあり、アレも聞きたい、コレも聞きたいとなりがちだ。しかし、知りたいことをただ並べただけのアンケートをしても、その結果をビジネスに活かすのは難しい。「いろいろわかった」だけで、ビジネスを前に進めるヒントは一切得られないことになる。
 
アンケートを組み立てるときは、最も重視する「核にする質問」を一つ決めて、その他の質問をそれとの関連で捉えるとわかり易くなる。例えば、顧客満足を核の質問にして、これに影響を与える要因、これに影響を受ける要因を見ていけば話はシンプルだ。その上で、顧客満足を向上させるために、この指標に大きく影響を与えている要因を改善していく。もちろん、実際のアンケートづくりはそこまで単純なものではないが、考え方の筋道はこのようになる。
 
ただ、核にする質問をどう選ぶかが案外難しい。顧客満足で良いようにも思うが、それが購入意向につながらなければ意味がない。だからと言って購入意向を核にすると、「満足してない」のに仕方なく「次回も買う」お客が邪魔になってしまう。両方を核の質問にする手もあるが、今度は焦点がぼやけてしまい、二つの質問結果の使いわけが難しくなる。
 
今回紹介する「究極の質問」はこの悩みに応えるもので、具体的には次の質問文となる。

 ○○を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか

これ一つを聞くだけで良いというのだから、何とも魅力的ではないか。
 

質問

credit: geralt via FindCC

 


究極の質問から「推奨者の正味比率」を算出


この「究極の質問」はコンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーが考え出したもの(参考:『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』フレッド・ライクヘルド/ランダムハウス講談社)。最近は、日本でも雑誌などで紹介されているのでご存知の方も多いだろう。
 
回答は10点〜0点までの11段階で行ない、その結果から回答者を次のように分類する。
 ●10点〜9点 推奨者
 ●8点〜7点 中立者
 ●6点〜0点 批判者

つまり、回答者が付けた点数を、評価してもらった商品への態度と見なす訳だ。
 
そして、推奨者はプラスの口コミを行なうことがあり、批評者はマイナスの口コミを行なうことがあるため、これらの差を取った「推奨者の正味比率」を指標とする。

 推奨者の正味比率 = 推奨者の割合(%) ― 批判者の割合(%)

「推奨者の正味比率」はネットプロモータスコア(Net Promoter Score)の訳語で、NPSと略されることが多い。このスコアが高い程、顧客から多くの評価を受け、推奨者の口コミなどで新しい顧客が生み出されることになる。自分の大切に思う人たちに薦めたいと思うことが、商品に対するロイヤルティ(忠誠心)と密接に関連しているためだ。これにより、好みに左右される主観的な評価とも、べき論や建て前が先行する客観的な評価とも違う、「究極の評価」が下される。
 


目標がはっきり定まり、何をするべきかが明確に!


さて、この指標の良さは、極めて単純なところと言えるだろう。この一問さえ自社の製品やサービスに合わせて適切に質問すれば、顧客の評価がしっかり把握できるのだ。評価と継続購入の関係を自社の商品について検証できれば、なお素晴らしい。
 
NPSを、商品ごと、接客者ごと、支店ごと、時系列などで比較すれば、次なる施策を考え出すことも可能になる。NPSを核とすることで、目標がはっきり定まるため、何をするべきかも明確になるのだ。
 


中小企業でも取り組める


もちろん、いくつもの質問と一緒に聞くことで、アンケートの価値が更に高まることになる。ここで何を質問するかは、ビジネスのタイプ次第だが核の質問さえ決まれば、試行錯誤のしようもあるだろう。
 
「究極の質問」ならば、大企業だけでなく中小企業でもすぐに取り組める。
枠組みがしっかりしているため、着手がし易いのだ。ただし、正しい結果を得るためには、ある種のチューニングが必要になるのもまた事実。良い結果を出すことを目標とせず、実態を正しく反映した結果を知ることを目標にし、外部の人間も巻き込んで公平な調査を目指すことが大切になる。
 
正しい結果さえ得られれば、その効果は抜群。
大胆かつ慎重に「究極の質問」を使って欲しいものだ。

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