「#アマゾンポチ」は役に立たない?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1827文字)


TwitterのタイムラインでAmazonの買い物ができるようになった。
「Amazonソーシャルカート」という新機能で、ツイートにハッシュタグ「#アマゾンポチ」を追加することで買い物が可能になる(参考:「#アマゾンポチ」ツイートでカートに追加 「Amazonソーシャルカート」日本でスタート|ITmediaニュース)。
 
こうやって書くと一見便利な機能のようだが、あくまでこれは概要。使用方法の詳細を確認すると、あまり使う気になれない。実は何とも不思議なシステムだからだ。
 

アマゾン

credit: Ben K Adams via FindCC

 


カートに入れることを元ツイート作成者に通知!


「Amazonソーシャルカート」を使うためには、まずAmazonとTwitterのアカウントを連携させる必要がある。これも一手間と言えば一手間だが、この作業自体はどうってことない。専用ページからリンクをたどると連携アプリの認証を求められるので、それに従うだけだ。いろいろなサービスのアカウントが繋がり過ぎることに懸念はあるものの、第1ステップに大きな抵抗はない。
 
問題は第2ステップにある。
何と、気になる商品のリンクを含むツイートを見付けたら、それに「#アマゾンポチ」を付けてリプライ(@返信)をしろというのだ。ここがどうにも腑に落ちない。Twitterに詳しくない人に説明すると、リプライは、元ツイートを作成した人宛のメッセージのこと。つまり、商品をアマゾンのカートに入れるための連絡先が、アマゾンではなく元ツイートの作成者となるのだ。
 
まあ、「良い商品を紹介してくれてありがとう。買ってみることにしたよ。」などのメッセージを入れてツイートすればいいのかも知れないが、自分が商品を買おうとすることをわざわざ他人に知らせるのは何とも小っ恥ずかしい。メッセージを受け取った人も、反応に困るだろう。更に言えば、リプライの仕組み上、両者をフォローしている第三者にもこのやりとりを知られることになる。こちらについては、小っ恥ずかしいを通り越して意味不明の領域だ。もちろん、このあたりの感性は人それぞれ。それでいいという人もいるのだろうが、メッセージの宛先がかなり不思議なシステムのように思えてならない。
 
ちなみに、「Amazonソーシャルカート」でできるのは「ショッピングカートに入れる」ところまで。購入手続きは、後で別に行なうことになる。間違ってツイートしてしまっても、それだけなら翌日に商品が届いてしまうことはない。この点は安心できる設計だ。
 


真の狙いは商品購入の促進?


大体、リプライを送るのはなかなか面倒だ。誰かに向けてメッセージを発するのだから、少しは考えて文章をつくらなくてはならない。一方、紹介されている商品を欲しいと思ったとき、リンクをクリックするのは何てことのない作業。後は開いたAmazonのページで、カートに追加すればいい。冷静に考えれば、リンクをクリックする方が便利なのは間違いないだろう。便利さで言うと、「#アマゾンポチ」は役に立たない。ユーザビリティが悪過ぎるのだ。
 
こう考えてみると、Amazonの狙いは別のところにあるように思われてくる。このシステムの目的は、利用者に便利を提供することではないのだ。誰かが商品を買った(正確には「ショッピングカートに入れた」)という情報を目にすれば、人の商品購入意欲は刺激される。「俺も買ってみようかな!」と考える人が出てきても不思議はない。「カートに入れた」という情報を共有させることで、更なる購入を生み出そうというのが真の狙いなのではないだろうか。
 
うがった見方かも知れないが、なかなかいい線をいった推測のように思っている。少なくとも「ソーシャルカート」があまり便利でないのは間違いない。サービス提供側の発信するメッセージに載せられることなく、その良し悪しを自分で判断して利用をコントロールした方がいいだろう。
 
ときには、企業のマーケティング活動に引っ掛かるのも楽しいが、こういう不出来なシステムは勘弁だ。どうせ利用者をのせるなら、もっと気持良く騙して欲しいものだ。

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