「捨てる」より「選ぶ」!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1565文字)


先日、『365日のシンプルライフ』という映画が公開された。「自分の持ちモノすべてをリセットして行なった365日の“ 実験”生活」を描いた、ちょっと風変わりな作品だ。監督・脚本・主演をつとめた男性の実体験を元にしており、その実験のルールは次の4つ。

 Rule 1. 自分の持ちモノすべてを倉庫に預ける
 Rule 2. 1日に1個だけ倉庫から持って来る
 Rule 3. 1年間、続ける
 Rule 4. 1年間、何も買わない

 
一度、身の回りのモノすべてを手放し、自分が必要とするモノを順番に選んでいく実験。かなりハードで、なかなか興味深い取り組みのように思われる。正に、ゼロからの出発。毎日毎日、自分にとって何が本当に必要なモノなのかを「選ぶ」ことになる。己のニーズを、ひとつひとつ確認していく作業とも言えよう。何ともストイックで、道を究めたおもしろい実験ではないだろうか。
 

credit: practicalowl via FindCC

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ゼロベースで考えるためにルールをつくる


さて、当然ながら、この実験の再現自体をオススメする訳ではない。オススメしたいのは、肝となっている考え方。現状から出発して何かを「捨てる」のではなく、ゼロから出発して何かを「選ぶ」ことだ。ここに、大きなポイントがあるように思う。
 
人は誰しも、何かにつけて現状に縛られがちだ。現在置かれている状態を出発点にして、より良い状態を目指そうとする。個人でも組織でも、何かをするときには、現状が大前提となる。もちろん、そのようなアプローチが有効なこともあるが、また一方でそのようなアプローチでは解決しないこともある。これまで注ぎ込んださまざまなコストに縛られ、前に進めなくなることは少なくない。
 
そんなとき、ゼロベースで考えることが重要になる。そして、現状の中に居るままゼロベースで考えるのは難しい。だからこそ、『365日のシンプルライフ』のような、ルールを決めた取り組みが有効になるのだ。
 


ブックマークを選ぼう!


家にあるモノをすべて捨てる(移動する)のは現実的でないが、ブラウザのブックマークやスマホのアプリならこのような実験も可能だ。
 
例えば、ブックマークについて『365日のシンプルライフ』風にルールを書くならこんな感じだろうか。

 Rule 1. ブラウザのブックマークすべてを1つのフォルダに移動する
 Rule 2. 1日に1個だけフォルダから移動し、取り出したサイトだけを利用する
 Rule 3. 1か月、続ける
 Rule 4. 1か月、新しいブックマークは付けない

検索エンジンさえブックマークに加えれば後はどんなサイトにでも飛べると考えるのは勘違い。「取り出したサイトだけを利用する」というルールがあるので、見られるページに制約がつくことになる。「1年間」ではブックマークが増え過ぎるので「1か月」としたが、期間は自分なりに決めればいい。
 
ネット・バカ化が心配される昨今、自分なりのインターネット活用法を見直すためには、こんな実験も楽しそうだ(ネット・バカについて詳しく知りたい人はネット・バカに気を付けろを参照のこと)。現状を維持したまま大きな変化を求めるのは現実的ではないので、ときには荒療治が必要になる。インターネットの影響で本来の仕事が妨げられていると少しでも思うなら、この実験を試してみるとよいだろう。ゼロから「選ぶ」ことで、自分にとって真に重要なことが見えてくるかも知れない。

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